短編
□a buggy morning
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ふわぁ、と欠伸を噛み殺しながら今日の一時間目は何だったかな?とぼんやり考える。
そうだ、数学だ。今日当たりそうだなぁ、と机から教科書を出していると教室が一気に騒がしくなった。
「おっはよ〜っ」
やっぱり円堂達、サッカー部だ。
「おはよう、名字」
背後から挨拶してきたのは隣の席の豪炎寺。声がした方を振り返りながら、私も挨拶を返す。
「おはよ、豪炎寺。朝練お疲れ。」
「ああ、試合が近いからな。みんな、気合いが入っているんだ。」
「そっか。応援行くから頑張ってね。私、豪炎寺がサッカーしてる姿、好きだよ。」
「(……他意は無いんだろうな)ああ、ありがとう。必ず勝つから楽しみにしていてくれ。」
「うん、楽しみにshおはよっ、名字!!うぅっ」
「………円堂。名字が潰れているぞ。(わざとだろう。名字に触るな喋るな近付くな。)」
「(な!?席が隣だからってズルいぞ、豪炎寺!)ああっ!?名字っ!どうした、何があった!?」
「誰のせいだと思ってるのよっ!!」
げほげほコノヤロウ、円堂のやつ、私を女と思ってないな。豪炎寺、円堂の教育がなってないぞ。
「あはは、ごめんごめん。それよりさ、今日の部活、名字応援来てくれよ!俺、そしたらすっげー頑張れるからさ。」
「無視かよ。放課後?予定無いからいいよ。」
「よっしゃあ、豪炎寺、頑張ろうぜ?俺、絶対絶対お前には負けねーからな!」
「ああ、望む所だ。俺のシュートは止めさせない。」
「え?一緒のチームで何で勝ち負けとか言ってるのさ。」
「「いや、こっちの話(だ)」」
「あ、そう。あ、ほら授業始まるから席戻りなよ。」
チャイムが鳴り始めたので円堂を席に促すと、賑やかな朝がようやく一段落ついた。
a buggy morning
(good morning!)
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名字さんと円&豪。あなたの知らないところで抜け駆け禁止の決まりごとがあったりしてます。
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