短編
□ボーイズ・トーク
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よーし、 今日はこの辺で終わりだ!という円堂の掛け声に部員の面々はゆっくりと部室に引き揚げて行く。
フットボールフロンティアも勝ち進み、部員も増えた部室は全員が揃うと人口密度は急激に上昇する。
部活が終わった後の気だるい雰囲気の中、あちこちで聞こえてくるのは所謂雑談というやつだ。
昨日のテレビの話やゲームの話。あのアイドルグループの中で誰が好きか、などなど。
狭い部室の中は中学生らしい話題で溢れ帰っていた。
ところでさ、と一之瀬がタオルで汗をぬぐいながら切り出す。
「この学校の女の子、可愛い子が多いよね〜。俺、こないだ一年の子に差し入れもらっちゃってさ、めちゃくちゃ可愛かったんだよなぁ。」
「あ、そういえば俺も。アメリカ帰りってのが珍しいのかねぇ。」
そう言いながらも満更でも無い様子の土門。その二人に妬みの混ざった羨望の視線が集まる。とうわー、羨ましい!俺も欲しい!と騒ぐ一年達。
こうなるとなんとなく話はそっちの方向になっていく。
半田は何気に三年のお姉さま方に人気らしい。帰国子女組や風丸、豪炎寺は普通にモテるし、鬼道や円堂も人気があるんだとか。
普段真面目にサッカーに取り組んではいるが、それぞれ皆お年頃の男子。こういう話には興味津々なのだ。
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