短編
□たいせつな、ひと
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それはまさに、青天の霹靂というやつだった。
「豪炎寺。俺、好きな子ができたんだ。」
寝ても覚めてもサッカー一番!と自他共に認めるほどのサッカー馬鹿な円堂の突然の告白に俺はただただ呆然とするだけだった。
「そんなに驚くようなことかぁ?まぁ、確かに自分でもびっくりしているんだけどさ。」
「へへっ。」と照れたように笑う円堂につられて自分の口許も僅かに緩むのがわかった。
誰かを好きになるのは悪いことではない、自然なことだ。
「…それで、相手は誰なんだ?」
マネージャーの誰かだろうか。…音無は止めておいた方がいいと思うが(なんせ立ちはだかる壁がでかすぎる)。
「豪炎寺もよく知っているやつだよ。名字。俺、名字が好きだ。」
「……っ」
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