短編
□mermaid girl
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(名字視点)
――俺はお前に一突きにされるのか?
ちょっと泣きそうな顔をした豪炎寺に面食らった私。
「いやいやいや、違うよ。そんなシリアスな話してないから。」
人の事は言えないけれど、豪炎寺は口数が少ない。その割にはは天然、というかいきなりとんでもないボケをかましてくれたりする。今は正にそれだ。とりあえず、誤解を解かないととんでもない展開になりそうだ。
「……いや、あのね。もし私が人魚姫の立場だったら、身を引いて泡になる前に魔女を脅してでも二人で幸せになる努力をするのに、って思ったの。」
だって。
「好きな人とは、幸せになりたいじゃない?だから、豪炎寺のことだって絶対に私が幸せにしてあげる。」
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