短編

□さよなら、またね。
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携帯を開くと登校時間にはまだ時間があった。
この道をまっすぐ行けば5分も経たないうちに学校が見えてくる。つまり、私はあと5分後には学校に着いてしまう。


「…………」


くるり。


学校の方向に背を向けて私は歩き出した。登校して行くみんなに逆らって一人。明らかに浮いている私の行動に好奇の目が向けられているけれどそんなの気にしていられない。決めたんだから。


「……名字?」

「…………」


誰かに声をかけられたけれど顔を上げずにどんどん歩いていく。
どんどん歩いて少しずつ早歩きになって。


学校になんか行くものか。


学校に着いたら、私は。私たちは。


走り出そうとしたその時、ガシッと私の左腕が掴まれ右足は空を切った。



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