短編

□さよなら、またね。
1ページ/4ページ




三月某日。

晴れ。


まだちょっと寒いけど、この間まで暖かい日が続いたおかげで桜も咲き始めた。
私はすっかり馴染んだ制服を着込み、いつも通りに支度をしていつも通りの時間に家を出る。


商店街。

公園。

河川敷。


みんなとの思い出の場所をひとつひとつ瞼に焼き付けていく。
笑って、泣いて、怒って、また笑って。


「…楽しかったな。」


ぽつり呟いた言葉は青い空に吸い込まれていった。



.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ