銀魂ショートストーリー

□傘ひとつ
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「銀ちゃーん。雨、降ってるネ。」




よろず屋の窓から覗く雨は止むことはなく、激しさを増すばかりの今日この頃。

神楽はいつものように酢こんぶをむさぼりながら、ソファの上で体育座りをして窓の外を眺めていた。

銀時は返事もなしに、ダルさ全開でジャンプを読みふける。




「ぎーんーちゃーんー!」



「………。」


「へーへー。無視でござんすか。いいアル。家出してやるもん。」


「………。」




終始無言の銀時に痺れを切らした神楽は、酢こんぶ一箱と傘を持って家を出た。




「銀ちゃんのアホバカでべそっ!」




ズンズンとふんぞり返りながら歩き、さしてない傘の先を思い切り道に叩きつける神楽。

すると団子屋に見慣れた顔を見つけた。


神楽は足をとめ、元来た道へ戻ろうとしたが遅かった。




「チャイナじゃん。何やってんでえ、この雨ん中。」




(ちっ…。サドが。タイミング悪すぎアルよ。)
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