銀魂ショートストーリー
□愛は真心、恋は下心
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「うー。なんで酢こんぶ切れてるネ…。」
「お前がバクバク食うからだろーが。」
ソファの上で口を尖らせブーブーと愚痴をこぼす神楽。
銀時はジャンプを読む手を止め、神楽に何かを投げた。
「ひゃっ!何アルか、突然…」
「ぐちゃぐちゃ言われてっとジャンプに集中出来ねーんだよ。それ持って出てって。」
神楽はゆっくり手を開き、掴んだそれを見る。
それは銀時からのおこづかいだった。
「銀ちゃん、ありがとネ!この恩はちゃんと新八に返させるヨ!いってくるアル♪」
「無駄遣いすんなよー」
神楽はもらったお金を右手に大事に握りしめ、近くの駄菓子屋に向かった。
「酢こんぶ5個ー!」
「はいよ。お嬢ちゃん。」
そう言って神楽に笑顔で酢こんぶを手渡したのは勤務中の沖田だった。
神楽は口をポカンと開けて、沖田を見た。
(げ、幻覚アル!酢こんぶ14時間くらい食べれてなかったから、私ちょっとおかしくなってるね!)
「大丈夫ですかい?目んたま、俺のこと見たまま動いてないけど…。」
「ふははは、冗談よしてヨおばあちゃん!そんなサドのモノマネしたって、私騙されないアルよ!」
神楽はそう言って、笑いながら駄菓子屋を出た。
しかし、沖田が肩を掴むため動けない。
「お前…まさか本当にあのサドアルか…?」
「本当も何も、俺は初めから俺でさぁ。」
神楽は振り向き、もう一度沖田の顔を確認した。
(た、確かに…本物ネ…。)