銀魂ショートストーリー

□桃色日和
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ある春の昼下がり。

沖田は攘夷志士の桂の追跡に失敗し、バズーカ片手に一人ぶらぶらと歩いていた。

ふと、河川敷にそびえる一本の桜の木を見やると、そこには見慣れた姿があった。

沖田はその姿を見て、思わず河川敷を駆けるように下っていた。




「チャイナ、……って、寝てんですかい…?」




沖田はスースーと気持ち良さそうに眠る神楽を呆れたようにして笑い、ソッと神楽の前髪に触れた。

(ガキの寝顔……。気持ち良さそうに寝やがって…。)




「ん……、」


「起こしたかな…。」




もぞもぞと動く神楽に沖田は呟いたが、神楽は再びスースーと寝息をたてた。

(……可愛い…。)

沖田は眠る神楽を見つめては目を反らしを繰り返した。

(いや……、こんなチビ…可愛いワケねえでさぁ…。いやでも…)




「んむ……、」




神楽は唸りながらゴロンと寝返りを打ち、沖田の服の裾をぎゅうっと握り締めた。

(………。)




「ん…ゆ………」


「…おめー…、寝言多いな…。」




沖田はふっと笑い、神楽の頭を撫でた。




「……サ……ド………」




沖田はその言葉にピクリと反応して、神楽を見た。

神楽は目を閉じている。




「…サ…ド……」




さすがの沖田も少し頬を染め、神楽から目を反らした。


(…………。………………やばい……。)




「サド……、膝まづけアル…。ふはは。」


「何が膝まづけだチビ。」




沖田はそう言って、ぺしんと神楽の頭を叩いた。

(やっぱうぜー…。)



(まあ…少しは可愛いと思ったことは認めてやるでさぁ。)
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