銀魂ショートストーリー

□いざ、海開き!
1ページ/14ページ






「……どこだ、ここ…。」





響く波音、風に揺れ擦れる木々の葉の音。

ざわついた自然の中、孤独に立ち尽くす、


約一名の土方あり。




─時を遡ること3時間。


真選組一向(いつもの3人)は、海開きの今日、海で粗相が無いよう取り締まるようにと遠路はるばる海へとやって来た。

海開きで空模様も良いわけか、浜辺には沢山の人びとが入り交じっていた。




「おー!やはり海開きということもあって賑わっているなー!どうだトシ、総悟、せっかく遠くからやって来たことだし」


「俺は遠慮しときやすぜい、近藤さん。あんな人で埋まった海、塩水かどーかも分かったもんじゃねえでさぁ。」


「俺も遠慮する。浜辺で何かあったときに海パンじゃ示しつかねーしな。」


「うむ。まぁそれもそうだな!じゃあ砂のお城でも作ろうか!」


「…俺、海の家で焼きそばとか買ってきやーす。土方さーん。近藤さんの世話頼みましたぜー。」


「おいっ、ちょ待っ…!」


「トシ!俺は水汲んでくるから山作っといてくれ!じゃ、行ってくる♪」





海へ向かう近藤と、人混みに消えた沖田を見て、土方は深く溜め息をついた。




「ったく…。どいつもこいつも浮かれやがって…。」





両手で砂を集めて山を作りながら土方はぼやく。

ある程度山が大きくなった頃、人混みの中から聞き覚えのある声が一際大きく響いてきた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ