銀魂ショートストーリー
□青い三日月
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「ん……、」
小さな箱のような形をした、殺風景な長方形の部屋に小さな声が響く。
そしてジャラジャラという金属音とともに、ムクリと起き上がる服の擦れる音が響いた。
「……っ…何アル…。頭ガンガンするネ…。」
気だるそうに目を覚ましたのは神楽であった。
何故か痛む頭を右手で抑え、立ち上がろうとしたとき。
ふと違和感を感じた。
「ん…?」
ジャラリ、と再び金属音が響く。
そしてその先には、自分の片足を繋ぐ鎖があった。
神楽は一度座り、また立ち上がってみた。
やはりジャラジャラと音を鳴らすそれに、神楽は足を振ってジャラジャラと鎖を鳴らした。
「ハハハ、なんだ。夢アルか。びっくりさせんなよー。ハハハハ。」
神楽は笑いながら、再びコンクリートの床に頭をつけて眠ろうとする。
しかし、足に繋がれている鎖は変わらず冷たく、床の冷たさも現実さながらに生々しく感じた。
「現実さながら…?おい、この感触普通に考えて現実そのものアル。何がさながらだよ、現実だよコレー。」
神楽は仰向けになって天井を見たまま、独り言を大きく呟いた。
すると、左からジャラリと、同じ金属音が響いた。
神楽は仰向けのまま、ゴクリと息を飲む。