銀魂ショートストーリー

□とけない魔法
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「そー、うー、ごっ♪」



朝早く響く弾んだ声に、沖田は気だるさ満点で振り向く。

そこには、ウザったい声と同じように、ウザったい満面の笑みを見せる近藤がいた。

なんだか嫌な予感がした沖田は、一つ溜め息をついて仕方なく近藤の顔を見る。




「…なんですかい、ご機嫌のようですけど。」


「んー?なんだと思うー?」


「用が無いんだったら、俺見回り行ってくるんでー。」


「そう言わずに、な?実はだな、今日はお前さんにとーっておきのプレゼントを用意したんだ!」


「プレゼント…?」




沖田はプレゼントという単語に少し興味を惹かれ、近藤に問う。

近藤はフフンと自慢気に鼻を鳴らした。




「最近のお前はよくやってくれたからな、ご褒美と言ってはなんだが、お前さんには今日一日、特別に休暇を取らせようと思ってだなぁ!」


「まじでか、近藤さん…。」


「あぁ!あと、休暇といってもただの休暇じゃねえぞ?特典付きの休暇だ!」


「特典…?」




未だ嫌な予感を拭い切れない沖田は眉をひそめながら再び近藤に問う。

近藤はそんな沖田を見て微笑み、沖田の肩にぽんっと手を置いた。




「なんだかんだと言っても、男は優しさだぞ。総悟。」




近藤はそう言って、二枚の紙切れを沖田に手渡して廊下を歩いていった。




「なんでいありゃぁ…?」




近藤の背中を見ながらそう呟き、沖田は渡された二枚の紙に目を落とした。

(特典付きって…。このこと…なのか…?)


沖田はクシャリと乱暴に二枚の紙をポケットに入れ、呆れたように頭をポリポリと掻きながら、廊下を歩いていった。
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