銀魂ショートストーリー

□雫かくれんぼ
1ページ/5ページ






「えー、俺が鬼かよー!」


「100秒数えろヨー!隠れるアルー♪♪」




ある日の公園。

神楽は公園で近所の子供たちと遊んでいた。

今日の遊びはかくれんぼ。

隠れる範囲は町内どこでも、という広範囲に及ぶ大規模なかくれんぼが、神楽と子供たちの最近の流行りであった。




「ニシシ…♪前から見つけてた穴場アル…。絶対誰にも見つけられないネ…♪」




神楽は川に浮かぶ少し豪華な低い船に飛び乗り、木箱が積まされたところに身を潜めた。

ぽちゃん、と水音が静かに響き、神楽の心を潤わせる。

涼しいし、風は気持ちいいし、神楽にとって絶好の隠れ場所であった。


一分ほど経った頃、バタバタと足音が船の外から響き、神楽は身を屈めて体育座りをした。




「もういいかーい!!!」


「くっそぉ…!神楽の奴、いっつも隠れるの上手いからムカツクぜ!今度こそ絶対見つけるぞ!」


「あっち探してみよう!」




足音は反対方向を向いて遠退いていった。

神楽はフゥ、と安堵の溜め息を漏らした。




「もう、一人見つかったアルか…。」




不安そうにそう呟くと、向こうの扉の奧から物音が響いた。

まずい、と思った神楽が船から降りようとしたときにはもう遅く。


船は緩やかな流れの川を、静かに走っていった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ