蜜柑小説
□きらきらデイズ
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「新八いいい。」
「もうご飯残ってないよ。この一食で一週間ぶんの食料なくされても困るし。」
ある日のよろず屋。
珍しく銀時は不在で、神楽と新八の二人きり。
なんでも、子供じゃあまりに色んな意味で危険すぎるからという理由で銀時は一週間の期間、謎の依頼を請け負ったというのだ。
「じゃあお前を食わせるヨロシ。あっ、お前っつーか本体じゃなくてメガネかけ機の方ネ。」
「僕の本体普通にメガネじゃないからっ!!つーかメガネかけ機って!!」
「うっぜ。一週間も一緒とか、いやアル。」
「神楽ちゃん…、思ってても言わないでくれる…?」
そういうわけで神楽のおもりとして、新八は一週間よろず屋に泊まることとなったのだ。
「銀さんの布団使っていいのかな。」
「いいアルよ、あんなボンクラ銀ちゃんの布団くらい。ちょっと臭ってるけど、あんま気にしないであげるヨロシ。銀ちゃんが気にしちゃうからナ。」
「神楽ちゃん、それ絶対銀さんに言っちゃダメだよ。あの人の心本気で折れちゃうよ。」
夜10時。
今日は一応新八のお泊まり一日目であったが、今さら泊まるも何もなく、いつものようにダラダラと時間が過ぎていった。
「じゃあおやすみ、神楽ちゃん。」
そう言って布団に入ろうとするも、襖のところにいる神楽は立ったまま動こうとしない。
そんな神楽に新八はどうしたんだろうと首を傾げた。
「神楽ちゃん?」
「……………。」
俯きがちにムウ、と神楽は唇を尖らせる。
「一緒に寝よっか。」
なんとなくそう言ってみた新八。
すると神楽はパッと顔をあげ、一瞬嬉しそうに微笑んだ。
そしてダッシュで押し入れ兼、自分の寝床に行き、自分の枕を手に取った。
「新八と一緒に寝たくないけど、可哀想だから寝てやるネ!」
「はいはい。」
何故か枕を持ちながら仁王立ちで威張る神楽。
そして呆れて笑う新八の隣に、ぽんっと枕を置いた。
「ちょ、神楽ちゃん狭いんだけど。」
「いいの!」
「いいのとかじゃなくて、狭いんだけど……。」
ハァ…と溜め息をつくも、べったりとくっつく神楽を見て新八は呆れたようにして微笑んだ。
「新八、こっちの方があったかいでしょ?」
「…うん。あったかい。」
「はっ!じゃあこの布団は丸ごと神楽様がいただくネ!!」
「くそっ!!!」