銀魂ショートストーリー

□傘ひとつ
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「お前に関係ないネ。つか、お前こそ雨ん中、何団子食ってるネ?」


「まあ、いいじゃん。ほれ、チャイナも食えば。」




沖田はポンポンと、椅子の隣を叩き、神楽に座るよう促す。

ググー、と思い切りお腹を鳴らした神楽は仕方なく沖田の隣に座った。

(べ、別に団子につられたワケじゃないアル。コイツが寂しそうに一人で団子食ってたからで…。)




「ほい。みたらし。」


「む…。し、仕方なく食べてやるとしよう。」



神楽はそう言って、沖田から受け取った団子を一気に頬張った。

団子を腹に入れたあと、神楽はハッとした。

(腹減ってつい食べてしまったが、どういうつもりか、コイツ…っ。まさか利子つきで団子代むしりとられるんじゃ…)




「ふっ…。残念アル。私にむしりとるほどのモンは無いヨ。完全にお前の計算ミスアル!」


「あ?」




(くっ……、サド顔め…。)


神楽はぎゅっと両手に拳を握った。

一方沖田は神楽の発言について考えながら、眉をひそめた。




「つか…、なんで傘さしてなかったんだ…?」




意外な沖田の言葉に、神楽は拳の力を緩めた。




「雨…、嫌いじゃないネ…。冷たくて気持ちい…へくしゅっ」


「アホだな、チビチャイナ。」


「うるざい……。」




ズビビ、と鼻を鳴らす神楽は、酢こんぶを取り出してポリポリと食べた。


(なんネ、コイツ…。バズーカもなんも出してこないし、大人しいアル…。気色悪いネ…。)




「……!」




不意に、神楽の肩に暖かいものが触れた。




「俺は雨なんか嫌いでねぇ。さっき雨で濡れて、着るの気持ち悪いし。」




(……上着…?)


神楽は俯いて、再び拳を握り締めた。


(こっちだって…、こんなお前の上着……、気持ち悪いネ……。)
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