銀魂ショートストーリー
□我が儘な患者さん
2ページ/5ページ
「38度7分……。」
沖田は体温計片手にそう呟いた。
(最悪だ…。だりーし頭いてーし土方死ねこのやろー…。)
はー、と深い溜め息をつくと、近藤がふすまの奥から現れた。
「なーに、すぐ治るって。にしても信じられぬなあ!お前さんがあの怪力娘に恋してたなん…」
沖田は布団の横に常備していたバズーカを近藤にぶち当てた。
(雨、嫌いだったのに…。くそ…。あのチビチャイナ…。)
「ケホッケホッ、総悟、きけ。」
黒ずみになった近藤がヨロヨロと沖田に歩みよる。
「よろず屋…あるだろ?お前さんを一日看病して貰おうって、頼んだんだ。」
沖田は思わずガバッと体を起こした。
(…なんでえ、それ…。つーことは、あのチビも…。)
近藤は沖田の姿を見て嬉しそうに微笑んだ。
「おっ?この音、スクーターの音じゃねーか?」
「近藤さん……。」
「ん?」
「…………やっぱ言わねー…。」
(でも、チャイナ来たところで俺の体がこんなんじゃあな…。言葉攻めぐれーしか出来ねえな…。)
沖田は再び重い溜め息をついて、ゴロンと横になった。