銀魂ショートストーリー
□いざ、海開き!
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「なんでお前がいるアルか!」
「なんでって言われても、仕事だし。」
「お前のその格好どう見ても泳ぎに来たとしか思えないネ!税金泥棒がっ!」
「ギャーギャー言ってねえで、さっさと運べよチビチャイナ。」
土方らの使うテーブルに、どんっと焼きそばが置かれる。
土方は顔を上げ、影を作るその姿を目に映した。
「…焼きそば六人前。どーぞアル。」
「…またお前らか…っ」
ブスッとした顔の神楽を見て、土方はまた溜め息をつき、立ち上がった。
「つか何さっきから、手ぇ握っとるアル。離せヨ。」
「いや…。なんとなく。」
「で?おめーらは何でここにいんだ?」
「見たまんまアル。老舗海の家のマスターぶっ倒れて代行運営しとるネ。だから私、お前らに付き合ってるほど暇じゃないアル。」
「…つーことなんで、土方さん。あとは頼みますぜい。行くぞチャイナ。」
「おい、総悟てめーっ…」
神楽の手を握り、人混みの中を歩いていく沖田の腕を掴もうと、土方は手を伸ばした。
そして掴んだ腕を、ぎゅっと握り締める。
しかし土方はふと違和感を感じて顔を上げた。
「あ?」
「あ…。」
土方の掴んだ腕はお約束通り、沖田のものではなく…
「なんだよ、てめーか。マヨ王子。」
銀髪天然パーマでお馴染みの坂田銀時が涼しげな海パン姿で立っていた。
「マヨ王子じゃねえよっ!つかなんだてめーら。行くとこ来るとこ俺たちの前に現れやがって…。」
「おいおーい。それは要するに俺たちが君らを追いかけ回してるとでも言いたいっつーことか?きっしょ!何その思春期にありがちな典型的自意識過剰っ!さっぶー!」
「てめー、帰れや。俺もお前らに構ってるほど暇じゃねーんだ。」
「あれー?さっきまで砂遊びしてた人は誰だったっけかなー?」
「てめえ…っ!!」