蜜柑小説

□ゆううつ誘拐犯
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「あ。そうだ。」




ふとテーブルの方に目をやり気づき、俺は膝に乗っかる少女を隣に降ろす。

飴。

おととい、食べもしない飴を気分で買ってしまった飴がまだたくさん残ってる。




「あめ。食べる?」




袋ごとテーブルから持ってきて、キョトンとする少女に飴を見せる。

すると嬉しそうにその顔は綻び、きらきらと瞳を輝かせた。




「たべるっ!」


「よかった。いっぱい種類あるけど…レモンと、苺と…」


「おにいちゃんと一緒のがいいー。」


「えっ。」
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