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□なんで?
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「なんで、榛名は俺が好きなの?」
「なんでって、好きだから」
そう答えると秋丸は明らかに不満そうな顔をした。
他にどう答えればいいんだか。
秋丸は小さい頃から、そうだった。
『なんで、空は青いの?』
『なんで、お腹がすくの?』
そんな答えられないこといつも俺に聞いてくるんだ。
『空は青いから』
『生きてるから』
俺が返す答えに秋丸はいつも不満そうだった。
だって、俺はそんなこと考えたことない。
そうあるものだと思ってるし、俺が違う理由つけても何も変わらない。
「お前が、秋丸恭平だから」
ふと思い付いて、返してやる。
「そっか、そうかも」
不満そうな表情が顔から消えて、秋丸が真顔で頷く。
バカだ。秋丸はやっぱりバカだ。
だって、そんなの当たり前だ。
秋丸だから好きなのだ。
「バーカ」
思った通りに言ってやったら、秋丸が笑ってた。
君だから
end.