Main2

□なんで?
1ページ/1ページ

「なんで、榛名は俺が好きなの?」

「なんでって、好きだから」

そう答えると秋丸は明らかに不満そうな顔をした。
他にどう答えればいいんだか。
秋丸は小さい頃から、そうだった。



『なんで、空は青いの?』

『なんで、お腹がすくの?』



そんな答えられないこといつも俺に聞いてくるんだ。

『空は青いから』

『生きてるから』



俺が返す答えに秋丸はいつも不満そうだった。
だって、俺はそんなこと考えたことない。
そうあるものだと思ってるし、俺が違う理由つけても何も変わらない。


「お前が、秋丸恭平だから」


ふと思い付いて、返してやる。

「そっか、そうかも」

不満そうな表情が顔から消えて、秋丸が真顔で頷く。

バカだ。秋丸はやっぱりバカだ。
だって、そんなの当たり前だ。
秋丸だから好きなのだ。


「バーカ」

思った通りに言ってやったら、秋丸が笑ってた。


君だから

end.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ