Novel

□好きだから。
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「なんや?随分難しい顔してはんな〜、生徒会長さん?」


「…アントーニョか…」


「んな、あからさまに落胆せんといてや。悲しいなるやろ……で、どうしたん?」


「お前には関係ねぇよ」



一瞬だけ視線を窓の外へ向けたことに気づいて視線の先を探ると



「あぁ、例の弟くん?絶縁されたんやて?」


「てめぇには関係ねぇっつってんだろ……」


「怖いなぁ、さっすが元ヤンや、」


少しからかってみると予想以上の反応を見せ、言葉を言い切る前に蹴りを入れられ、
受け身もとれぬまま壁まで吹っ飛ばされた。



「うぐっ!ケホッケホ!!な、なにすんねん……
ほんっと相変わらずやわ、そこまであの弟くんが、」



ドサッ



「うるせぇ、黙れっていってんのがわかんねぇか?
それ以上喋んな。次ここで口開いたら二度と喋れねぇようにしてやる」


アントーニョの上に馬乗りになって喉元にナイフをあてがう。


殺気を放っている相手は恐怖の対象にしかならないはずなのに、
見下ろしてくるその瞳をみて衝動的に抱きしめてしまった。


「んな顔せんといてや……。ごめんな、親分からかいすぎやな」



優しく、優しく抱きしめると、アーサーの手からナイフが落ちる音が響いた。



「…んで、なんでてめぇは、そんなに優しくするんだ……
お前もあいつらみたいに冷たくすればいいだろ……」


「それはできへん相談やな〜」


「んでだよ!?」



バッと顔を上げたアーサーの頬に優しく唇を落とす。


「俺は、アーサーが好きやねん。だから冷たくするなんて無理に決まってるやろ?」



「っ!/////」



「返事はいつでもええ、でも、もう独りで抱え込むのはやめてな
。なんかあったら親分にそうだんするんやで?親分はいつでもアーサーの味方や」


そう言ってさっきよりも強く抱きしめる。
強く、強く。
少しでもこの気持ちが伝わるように……

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