銀魂2
□新年、辰年。
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「陸奥ぅぅぅ!!お願いじゃああァァ!!!」
「ええぃ、しつこいぜよ!!何度泣きつこうが無駄じゃき!!」
宇宙というただっ広いうみの上、快援隊の船艦の中で副艦に頭を下げる艦長の姿が見受けられる。
陸奥のズボンの裾を引き懇願する坂本は、いつもの地球に行きたいという我が儘を受け入れて貰えずにいた。裾を掴む腕を振り払い、陸奥はスタスタと足早に去ろうとする。
「ま、待つぜよ!頼む!1日だけでええから!なんなら…そうじゃ、お前も一緒に行くぜよ!!」
そうだ、それがいい!という笑顔の坂本から出された提案に、酷く怪訝そうな顔をして溜め息を吐いた。
「わしがキャバクラに行って楽しい思っちゅうのか貴様は」
目が合ったら石にされるのではないだろうかと思う程に睨まれたが、坂本はニヤと笑みを浮かべて首を横に振る。
どこからかガサガサと引っ張り出して来た来年のカレンダーやら包みやら…最後に女物の着物を渡され、あぁ成る程と納得した。
「どうじゃ…?1日だけでも駄目かのう…?」
陸奥は上目遣いで懇願してくる上司に気持ち悪いと一言ふぐりを蹴り上げ、仕方ないと頭を軽く掻き溜息を吐いた。
「1日だけじゃき。それ以上滞在しようものなら、その股間の粗末なもん捻り潰すからの」