銀魂1

□怪しい依頼 -2-
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「なんだ、コレは」


土方の目の前にドサリと置かれた… 人。


「土方さんに土産でさァ。」


そう言って何食わぬ顔で胡座をかいている沖田。


「いや、土産って。これ人だよね?しかも万事屋だよね?」


少し着衣が乱れている土方の目の前の男は、どうみても銀時だった。

「え?誘拐?総悟君警察だよね?」

「人聞きの悪い事言わないでくだせぇ。ちょいと拉致っただけですぜィ。」

「同じぃぃぃぃ!!それ誘拐と同じだから!!!!」


土方がツッコミを入れると沖田は膨れっ面で銀時を見た。


「なんでぇ、土方さんにも楽しんでもらおうと思って連れて来たのに。」

「連れてっつか拉致ね」

「任意同行でさァ」

「いや強制連行だろ。つか拉致だろ。あーもういい」


とりあえず、埒外があかないので一度会話を終了させる。

「で。なんでこいつ連れて来たんだ」

土方は本題へと話を戻した。
沖田は「だから」と小ビンに入った白い砂糖のようなものを出して言った。

「土方さんも楽しみてぇかなと。」

持っている小ビンをじっと見つめると、それがなんだかわかりじろりと沖田を睨んだ。

「お前、それ…」

「天人の違法薬物でさァ。ちょいと効果を見る為に万事屋の旦那に依頼しやしてね」

多分まだ効果は持続してやすぜ、とにやりと笑う。

「ヤったのか」

沖田は首を横に振った。


「まぁ、色々反応は試させてもらいやしたがね」


話していると、銀時がピクリと動いた。
土方は気付かなかったようだが、それに気付いた沖田は笑うなり

「んじゃ、ごゆっくり」

と土方の部屋を去って行った。



「ん…くぅ……」

苦しそうな声に驚き振り返ると、ほんのりと赤い頬をしてうずくまっている銀時と目が合った。


「な…んでっ、お前が、ここにいん、の…ッ」


肩で息をしているようにも見える銀時は、本当に苦しそうに見えた。


「ここは俺の部屋だ。つーかお前、大丈夫か?」

土方はうずくまる銀時の肩をポンと触った。

「ひっ…あ」


「!?!?」


銀時はびくっと身体を揺らした。

少し肩に触っただけでこの反応。
あまりに敏感すぎる相手に逆にビビってしまった。


土方はごくりと息を呑む。

沖田が何処かで見てるんじゃないかと部屋をキョロキョロ見渡し、誰も居ない事を確かめると再度銀時の方へ顔を向けた。


「そ…だ…俺、沖田君に、依頼とか言われ…てっ」

途切れ途切れに思い出した事を言葉にした。

「これ飲まされたんだろ?」

土方は沖田が部屋に置いていった小ビンをちらつかせる。
それを確認すると銀時は浅く頷いた。

 

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