銀魂1

□幸福な時間
1ページ/4ページ







ぽこん、 と音を立てて

シャトルは寝ている隊士の頭へと落ちた。




「…あ」




副長の土方が出張中なのを良いことに、仲の良い原田とミントンをしていた山崎は、
シャトルが落ちた場所に居る隊士を見て青ざめた。



「…俺、知〜らね…」



何気なくラケットを山崎に返却した原田は
こそこそとその場を離れていく。


「あー!!ずりぃよ原田…!」


「…痛ぇな…誰でぃ、俺に物をぶつけたヤツぁ」


寝ていた隊士は
ゆっくりと起き上がりながら付けていたアイマスクを外した。
外した瞬間、山崎と目が合う。


「お…沖田隊長…」


「なんだ、またてめーか山崎」



「すっ…スイマセンでしたァァァ!!!!」


名前を呼ばれた瞬間
反射的に腰から上半を90度に倒し、頭を下げた。


「…あーぁ、でこに傷が出来ちまったでさァ…どうしてくれるんでィ?」


見た目たいして腫れてもいないおでこを抑えながら言う。
嘘なのはもちろん分かってはいるのだが、
下手に逆らえばどうなるか…


「す…すいません!!沖田隊長の可愛らしい顔にィィィ!!」


「…おまえ殺されてぇのかィ。」


「ええぇぇぇ!?」


「可愛いって言われて喜ぶ男が何処にいんでィ。つーか馬鹿にしてんのか?」

「いえぇぇッ!!全然馬鹿になんて…っ!!」


確かにもし自分が言われたとしても嬉しくない事に気が付いた。
しまった、正直に思っている事を口にしてしまったのが仇になった。

どんな仕打ちが返ってくるかと冷汗が流れる。



「罰として…」


黒い笑みを浮かべながら口を開いた沖田を見て
息を呑む。


「山崎、後で俺の部屋に来なせェ。」



「は、ハイ…」





確か前に部屋に呼ばれて罰を受けた時には、
部屋の片付けやら洗濯やら、雑務をいつも以上にやらされた。


今日は何をやらされるのだろうかと思うと、
深い溜息が漏れた。




 

次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ