夢小説

□一つ屋根の下 〜ろ組〜
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「い組でなかっただけマシだけど、
できれば4年生がよかったなー」


そらがそうぼやいたのを聞いて、
長次が無言でそらに
さっきまで読んでいた本を差し出した。


「?」


きょとんとするそらに
長次が言う。


「…何か盗ってくる課題だろ…
これを持って行け……」

「長次…っ!」


感動にそらは目を潤ませる。



正直上級生の彼らには
悪戯してばかりなのに、
長次は何て慈悲深いのだろう……!






そらがありがたく
受け取ろうとした時、

小平太にさっと本を取り上げられた。


「ちょっと!
返してよ小平太!」

「ただで貰えると思ったら
大間違いだぞそら!」

「何それっ!?」


小平太に飛び掛かるが
猫とじゃれるかのように
易々とかわされ
全く本に手が届かない。


「もう!
じゃあ何すればいいの!?」


頬を膨らますそらに
小平太はにかっと笑って言った。






「今夜一緒に寝よう!」







そらは目を点にして
口をぽかんと開いた。



そして顔を真っ赤にして叫んだ。


「小平太の阿呆!
んな事できる訳無いでしょ!」

「なぜだ?
でなければそらは
一生課題を提出できないぞ?
私と長次がそらの侵入に
気づかないはずが無いからな!」

「くっ…」


そらは言い返す言葉が無い。

確かにろ組の2人は
獣さながらの注意力と観察力、
そして抜群の勘を持っている。





課題が提出できなければ
シナ先生に怒られるだけでなく
卒業も危うい。


でもかと言って
忍たまと寝るって倫理的にどうなの!?




そらは思考を巡らせた。


小平太め、
こういう時ばかり
悪知恵が働くんだから…。




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