夢小説

□おまじない
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その日忍たま6年生の一同は、
明日の野外演習に向け
支度を始めていた。


手裏剣や苦無の手入れをし、
かぎ縄や兵糧丸を
背負い袋に詰め込む。



長次に続きを任せ、
私は部屋を出た。





「そら、いるか?」

「小平太?ここよ」


今日みたいな満月の日、
そらはよく長屋の屋根の上で
夜空を眺めている。



声のする辺りへ跳び乗ると、
そらが足を抱えて座っていた。

私はその隣に片膝を立てて座る。



「どうしたの?」

「明日野外演習があるから
伝えにきた」

「そう…場所は?」

「裏裏裏山の麓だ。
明朝に発つぞ」

「戦?」

「うむ」



そらは暗い表情をする。

私が実習に赴く時は
いつもそうだ。


私はこの表情を見るのが嫌いだ。
すごく悲しくなるから。


それで、前に実習の時に
何も言わずに行ったら、
後でそれを知ったそらに
泣いて怒られた。


「お願いだから、
黙って行かないで…」


そうそらはせがんだ。




だから私は、
実習前日の今夜も
そらに会いに来たのだ。




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