短編集

□傷跡
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私には中学生の頃に
クラスの男子につけられた傷がある



友達は普通にいたし
男子とも話すしふざけ合うし



でもなぜか彼だけは私を嫌っていて

理由も分からなくて



ある日彼の個性で火傷を負った



その日の彼は特に機嫌が悪くて
みんなが帰った後の放課後の教室


壁まで詰め寄られて
顔の真横で爆破されて


痛みと恐怖で泣く私を
彼がどんな顔して見てたのかなんて知らないけれど


これ以上彼と関わることができなくなって

火傷の本当の理由も誰にも言わずに
友達にも黙って転校した



幸い火傷の範囲は広くなくて
ある程度には薄くなって

耳から頬近くまで負った火傷は
髪を伸ばす事で誤魔化した




それから2年


あの日の恐怖も徐々に薄れてきて

それまで怖かった男子との接触も平気になってきた



転入した中学を卒業して
新しい生活が始まる高校に入学して
私はこの運命に泣きそうになった




目があっただけで

あの日の熱さ
痛み
恐怖が蘇る




私の存在に気づいた彼も

目を丸くして
ただそこに突っ立っている



お互い動けずにいたところを
クラスの女の子が声をかけてくれたおかげで

私はようやく彼から目を背けることができた





これから3年間
私は逃げ出したはずの相手と
またクラスメイトになった
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