散って咲く花

□2枚
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「「彩芽ー!!」」

「…っ;;」


「…何をしているんだ?あの三人は」


翌日のホスト部でのこと

馨と光は彩芽を追いかけ回していた
「今朝からずっとなんですよね、2人とも暇があれば彩芽に引っ付いて…」


まだホスト部開店の時間まで時間があるので、彩芽は雑用係としてテーブルを丁寧に拭いている


「こ…コーヒーを準備しなくてはならないので、またの機会に…」


「「そんなのハルヒにやらせとけばいいジャン 髪イジらしてヨ」」

どこから出したのか2人してクシやらゴムやらを手に持ち出す


「え…っと;;」


「っていうかこれってダテでしょー?何で掛けてんの?」

っと馨が彩芽のメガネに手をかける

「これは…母が目立たぬ高校生活をとおっしゃいましたので…きゃあ!?///」


「それ絶対問題行動を起こすなって意味だと思うケド…」


延びてきた馨の手から逃れようとする彩芽を後ろから抱きついて動きを止める光

カチャッと音を立てて馨の手がメガネを掴む


「「もう逃げられないヨ〜?」」


「ちょ…っ;;ま…っ!?」


身動きのとれないまま馨にメガネを外されると真っ青になって固まってしまう彩芽


「あ…あの…っ;;」


「「………………」」


持っていた彩芽のダテメガネをポイッと投げ捨てる馨と

抱きしめていた手を離して肩を掴むなりぐるりと彩芽半回転させる光


そして光は彩芽の二つに結われた髪ゴムを同時に取る


「やっぱりネ…」

「ま、僕はホスト部に来た時に気付いてたけどネ」


「え?え…?」


彩芽の前にいた光の横に馨も混じってジッと彩芽の顔を覗き込む


「光馨、何をしている!彩芽が困っているではないか!!」


後ろで環が2人に叫ぶが、2人は無視


そして2人は持っていたクシで彩芽の髪をとき始めた


「お、おいお前ら何して…」


「「できた」」


その言葉と共にグイッと彩芽を前へ突き出す


「こ、これは…っ!!」


「あの…?;;」


「なんて可愛いんだ!!vV」
勢い良く彩芽に抱き付いた環


「アヤちゃん可愛いー!!」


ケーキを食べていた光邦が手を止めて彩芽に向かって叫ぶ


隣で座っていた崇もコクリと頷いた


ホスト部の注目の的である彩芽はお姫様のようなフワフワな女の子だった

くりくりの目が挙動不審になって潤んでいる


「「んじゃ、説明してもらおうかな」」


「え…;;」


「「何で黙ってたの?」」


2人の笑顔は黒かった
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