キミのトナリ
□第陸章
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「もしかして…………真尋……か…?」
――ビク…ッ
翼に名前を呼ばれ、ビクリと肩を震わせる
「……誰だテメェ…」
“気安く真尋とか呼んでんじゃねぇぞ…”
というオーラで棗は翼を睨みつけ、真尋を抱く力を強くした
「ぇ…っと…νひ…久しぶりだな…!
2年半ぐらいか…?」
棗を無視したのか気づかないのか定かではないが、翼は真尋の背に向かってどこかよそよそしい笑顔で話しかけた
だが真尋は棗の腕の中でじっとして翼を見ようともしない
「…ま……真尋……?」
「……いで…」
やっと真尋は口を開いてくれたが、声が小さすぎて何を言ってるのか聞こえなかった
「ぇ…今なんか言ったか…?」
真尋は勢いよく棗から離れ、翼の方を振り向いた
「気安く話しかけないでって言ったのよ!!」
真尋は翼を精一杯に睨みつけ、強く握りしめられた拳が震えていた
「ぁ…わ、わりぃ… でも俺、お前に…っ」
「偽善者」
翼は固まり、動かなくなった
「今更なによ あんたんてもう信じないわ!! 言ったでしょう?
あんたなんて大っ嫌いよ!!!!!!!!!!!!
」
「 真尋!! 」
真尋は突然走り出し、どこかへと去ってしまった
棗はその後を追いかけ、翼と蜜柑がその場に取り残された
「…翼先輩…?νあの…」
翼はしばらく下を俯いていたが、
やがて笑顔で蜜柑と能力別クラスへと行った
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