キミのトナリ

□第捌章
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「……………」

「…………………」

「………2人共、何かあったの?ν」

「狽・… な、なんで…?ν」

ざわつく教室で真尋と棗の様子がどこかおかしい事に気づく流架

2人の座っている間には微妙な距離があった

「2人共最近何かおかしいって言うか…」

「別に…ふ、普通だよ…?;;」

“いや…真尋がそんな様子だという事事態がおかしいから…ν”
と思いながら流架は真尋を見ていた

――棗…何であんな事…――

チラリと横目で棗を見てみれば、何もなかったかのようにいつもと変わらない表情

――…もしかして私、からかわれた…?――

――そうなのかも…だって棗はあの子と……――

チクリと痛む胸を押さえながら苦い顔をしていると、蜜柑の大声が聞こえた


「どういうこと――――っっ!?」


蜜柑の騒いでいる理由は学園の門にいる祖父を蛍の秘密衛星で見ていた所、自分の書いた手紙が届いていないという事を知ったらしい


「届いてるわけねーだろ」


パニクる蜜柑に一言棗は言うと、また続けて話し出した


「教師がバカ正直に外との接触を許すかよ
特にお前みてーな悪目立ちのバカ めでてー奴」


「棗っ 何をいきなり…ν
鳴海先生ちゃんと約束してくれたもん
ちゃんとじーちゃんに手紙 届けてくれるって」


“このひねくれがーっ”
と言いながら蜜柑は棗に言い寄った

「じゃあ
お前のじじいに現に手紙が届いてないのは何だよ」

「それは…ν」


反論できない言葉に声を詰まらせてしまう蜜柑

そんな蜜柑に棗は続けて言った

「この際だからおしえてやるよ
この先 鳴海がお前の手紙をじじーに渡す日なんて こねーよ

学園にいる大人で信用できる奴がいると思ったら大間違いだ」


「……………」


「特に俺や真尋、お前みたいな目をつけられた奴にとってはな」

「棗…っ」


教室を出ようとする棗を見た真尋は思わず立ち上がった

「いい機会だ
せいぜい その鈍った目で確かめればいい」


そう言い終わった棗は教室を出て行ってしまった

「棗君… ドッチボールの日以来 何だか機嫌悪いよね…」


――…棗……――




真尋は静かに棗の後を追うように教室を後にした






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