オメルタ劇場

□一欠片の愛を君に
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「ふあぁあ…ぁあ!んぁあっ…!ぁあ、そこっ、そこっ、ぁはぁ、ああ」
「後ろ?それとも前ですか?」
「ぁあ、どっちもっ、胸も、後ろも、両方感じるッ…あ、あ、ぁあ、あ、ぁああーー!!」
抱かれてはいるものの男としてのプライドは捨てきれず、女扱いされて乳首を吸われたりするのは屈辱しか感じないが、抓られたり苛められるのに抵抗はない。性感帯の一つとして開発されている胸への刺激は快感へと直結し、寧ろ橘にとっては気持ちがいいと言えた。性器を嬲られるのとは違うジンジンとした甘苦しい痺れは全身に及び、脳までも痺れたようになる。貫かれた秘部をあやされながら、藤堂の巧みな指先に左右の乳首を絶妙な力加減でこね回され、身悶えながら泣き喚く。痴態を晒すことに抵抗はなく、あっという間に快感の虜にさせられていく。
「ここを触られるのは、相変わらず好きみたいですね、陽司」
「んぁあ、あはぁ、…ん、っ、ふぁあ、はあん、んンッ」
執拗に愛撫を施されている、特に鋭敏な左の乳首に爪を立てられ、ピリピリとした痛みにゾクゾクと震える。堪らず橘はベッドに突っ伏し、藤堂の逸物に翻弄されながら惜しげも無く声を漏らした。
後ろから深々と串刺しにされた腰をゆるゆると使われるたびに、後孔から溢れ出した白濁が太ももを伝い落ちシーツを濡らしていく。わざと橘の興奮を煽るために、大きく腰を回しグチュグチュと卑猥な音を立てられ耳朶さえ犯される度に、全身に広がる快感の心地よさに酔いしれ夢心地になる。
一仕事終えてバーに立ち寄った時は、別にセックス目的だった訳ではないのだが、たまにはウチによって行きませんかという一言に淡い期待を抱いたのは事実で、こうして抱かれるとやはり体は昂り歓喜していく。
かつて藤堂と何度も体を重ねたベッドでの行為に体は簡単に舞い上がる。殺し屋として生計を立ててるが故に怨みを買うことは日常茶飯事で。一つの場所に居つくことはまずない気の抜けない生活を送っているせいか、久しぶりに胎内で感じる快楽に身体は従順過ぎるほど従順に熱を上げていく。理性はもちろん、巧すぎる藤堂の手技の前に早々に身体は陥落し、橘は中毒にでも罹ったかのように快感を追うことしか考えらなくなっていく。
「ふふっ、すっかり摘みやすい大きさになって。可愛らしいですよ、陽司」
「んぁあ、あ、ひぃあぁああぁ…っ!!」
いつもより執拗に嬲られ、鮮やかに色づいた乳首をもぎ取られる勢いで抓られ、尖った声が飛び出す。優しく甘いだけの愛撫より多少痛い方が好みだが、前立腺を悪戯にグリグリとえぐられている最中だということもあり、あちこちから感じさせられられて逃しきれない悦楽に仰け反る。
「ぁあ!い、痛うっ…んぁあ、はぁあ…ッ!」
「ああ…すみません。つい、加減を忘れていました。少し痛かったですか?」
「ぁあ、ちょっと…痛…たいっ、けど、なんや、ジンジンして、ズキズキして、痛いんやけど、ええ感じや…っ、めっちゃ気持ちいいっ!」
「本当に?気持ちいい?」
「う…ん、ひぁあ、マスター…もっと、…欲しい。してくれ!!もう一回強く、強いのが…ぁあ、ぁあぁあっ」
どうにか上体を起こして、震える腕をつっぱる。四つん這いのまま背筋をそらして胸を差し出すと、やんわりと胸を撫でていた指に思いっきり捻りあげられ望んだ鋭い痛みに橘は嬌声混じりの嗚咽を漏らした。己の性感帯を知り尽くされている相手だからか、的確な愛撫に恍惚となるのを止められない。悲しくて涙を流すことはなくても、快楽で流す涙はそこを尽きることなく溢れてくる。
「ここ…、触ると中もギュッとなって、締め付けてくるの、知ってますか?無意識?それとも、ワザと?」
「っひぃ、…ぁあ、マスターっ、…うぁあ、あ、ぁあ」
悪戯にすこし強めに乳首を指先で引っ張られて、藤堂の言う通り中にいる藤堂を勝手に粘膜が締め上げた。既に幾度となく迎え入れたそこは、藤堂のモノに合うように拓いている。秘部は、逞しいそれに時折ギシギシ奥を軋ませるが、絶対に離そうとはしない。
「う、んぁあ、あ、ふぅあ」
自分の欲望を満たしてくれる藤堂の大人のセックスに橘は年端のいかぬ子供のように全てを任せて、シーツを握り締めながら素直に快感を求める。性に奔放なのな昔からだが、定期的に体を重ねてる藤堂相手だと我慢が極端に効かない。こんな風に初っ端からタガを外したのは久々だが、止めようにも正常な判断は最早出来そうにない。全身が疼く。特に久々に獲物を咥えた後孔は飢えたように雄を欲している。浅い位置をゆるゆると弄ばれて身体を身悶えさせては、藤堂を放すまいと襞を絡みつかせる。抜けるか抜けないかの瀬戸際での愛撫に恍惚となる反面、放って置かれた最奥がこちらも欲しいと訴えるように胎内の疼きを一層強くしていく。
「ぁあ、んぁあ、マスター、ぁあ、奥っ、…そこだけやなくて、奥も、奥も突いて……!!」
「違うでしょう、陽司。お願いするときはなんて呼べばいいか、教えたでしょう?」
「ッ…!し、庄一郎!!庄一郎さんッ!!んぁあ、あぁ、ぁあ!!奥も…奥にもっと欲しい…ッ!」
「沢山してあげたのに、まだ足りないんですか?やれやれ、今夜の君は特に欲しがりですね。こんなに飢えて…自業自得でしょうに」
説教なら後回しにしてくれと繋がったままの腰をくねらせて早くっ!…と橘が催促すれば、言葉にしなくても心得ている藤堂が焦らすことなく背後で腰をひいて大きく突き上げてくれる。口元で深い笑みを浮かべる藤堂に、望みを叶えられ橘は閉じきれない口元から涎を垂らし歓喜の咆哮を高らかにあげた。自分に注がれる藤堂の笑みが、浅ましさを嘲笑するような嫌なものではなくどこまでも慈愛に満ちたものであることが不思議と嬉しくて、こんな時だというのに橘の心を安心させてくれる。
「ぁあ、…ええ感じや…、気持ちいい、…、うぅ…痺れる…奥が…」
「では、もう奥はいいですか?もう欲しくない?」
「…イヤや…、意地悪せんでや!もっと、もっと欲しい…ッ!!」
「分かりましたよ。陽司、今度はもっと奥まで行きますよ、いいですね?」
もっと欲しいという願望に応じようとしてくれている事に、橘は期待に心臓を高鳴らせた。藤堂が橘の腰を改めて両手で掴み直す。ズルズルと抜け出ていく感触に橘はダラダラと先走りで股間を濡らした。巻き付いた柔襞を無理やり引き剥がしながら抜け出て、次の瞬間には一気に最奥まで剛直に貫かれ橘の目の前が真っ白に染まる。
「ひ、ぁああ、あ、ッぁああぁあ〜〜〜!!」
「…陽司っ!」
「ひぃい……ッーーー!!!」
疼きがひどい最奥を一思いに突かれた後の衝撃は意識を一瞬白く染め上げるほど善く……まだもう少し胎内を突かれ捏ねられる心地よさに浸っていたかったのだが、既に腹につくほど反り返っていた橘の屹立は我慢の限界だった。まるで刃物で刺されでもしたかのようにビクビクと全身を戦慄かせて、股間のものから白濁を撒き散らせていた。
(堪らん…気持ちよすぎて、もうわけ分からん…あぁ、まずいっ。頭おかしくなる…気持ちいい…)
堪えようとすることすら放棄してしまった股間から、断続的に吐き出される精液がしとどにシーツにシミを広げていく。達してしまったせいで、胎内にいる藤堂を渾身の力で絞り上げてしまったが、藤堂はうっと小さく呻いただけで、今回はイった様子はない。膿んだようにジクジクと疼く最奥は藤堂の精を飲み足りないと、屹立をギチギチに絞り上げていたが、藤堂は懸命に耐えた。
「ははっ……、まだまだ若いですね、もう3度目だと言うのにまだこんなに出して…。そんなに良かったですか、陽司」
藤堂の言葉に耳を傾けつつ、彼の指で屹立を扱かれながら橘は最後の一滴まで絞り出そうと深々と繋がったままの腰を振った。中の藤堂を自分で揺らし、いいところに当てながら最後まで絶頂を存分に味わう。藤堂の雄は咥えているだけも深いところを存分に刺激し、久々に後ろで味わう快感は一塩だった。
「ぁあ…、そんなん当然や…。めっちゃ、ええ。気持ちいい…。はぁ…最高や…こんな気持ちいいの…久々すぎて…狂ってしまいそうやーーー」
側から見たらまるで盛りのついた雌犬だろうが、なんと蔑まれても気持ちよさと引き換えにする価値などない。後孔を隙間なく男根でギチギチに埋められて、息も絶え絶えだが、粘膜を焼く剛直が愛おしくてたまらない。腰を揺らし続ける、どれだけ悦楽を得ているのか言葉と態度で惜しみなく示しつつ、藤堂に腰を支えてもらいながら、白濁を全てを出し終える。
「…マスター、…ぁあ、マスター…全部…全部出た……」
充足感に満たされた途端に脱力感に襲われて橘はベッドに突っ伏し満足げなため息をつく。多少調子に乗って無茶をしたせいか、腰が重いし怠いし、おまけに背骨が痛いが全ては愉悦で塗りつぶされる。人肌を求めて抱きつきたい衝動に駆られたが起き上がるのが億劫で、代わりに胎内にあるマスターの屹立を甘えるようにきゅんきゅんと食んだ。相変わらず立派やなぁ…などと、感触を確かめ、しばらくそうやって遊んでいると、藤堂に尻を軽くぺちっと叩かれた。
「こら陽司、僕で遊ばないでください。うっかり出しちゃったらどうするんですか…」
「ええやん、別に出したって構わんし。それに二回も中出しした後に、今更やろ。それとも、そんなギンギンに勃ててんのに、出したくないん?俺はまだ足りんのやけどーーー」
言って、にんまりと笑みを浮かべて、欲望を一度吐き出して幾分余裕が生まれた橘は挑発的に腰を振った。額に汗を浮かべて、情事の匂いを全身から漂わせてマスターと視線を背中越しに絡め、ぎゅーっと胎内にいる屹立を思いっきり絞り上げてやる。客の前でポーカーフェイスを気取る完璧なバーテンが、ベッドの上で欲望に煽られくっと眉根を寄せるその表情が、官能的でなんともそそる。
「俺が欲しくないん?庄一郎サン?」
わざと二人きりの時にしか呼ばない名で呼んでやる。温和さが際立っている瞳の奥にギラリと揺れる危うい炎を橘は見た。ドクんっと胎内の藤堂が波打ち、その硬さを増させた。
「俺のここ、いーっぱい出したけど、まだ空っぽにはなってないんやけどなぁ。後ろもそうや。出されたの殆ど溢れてしもてなーんも残ってないしぃ?」
橘は繋がったままの部分を更に見えやすくするように、自ら双丘を掴み左右に割る。さも美味そうに藤堂をしゃぶる秘孔から、溢れた白濁が泉の如く湧き出て橘のほっそりと伸びた脚と股間をヌラヌラと湿らせている。橘自身は感じるだけで見ることはできないが、藤堂の目にははっきり映ったことだろう。そして、自身の屹立がまだ硬度を保って、橘を欲していることも認識したはずだ。藤堂の反応を伺うべく上目遣いに見やれば、はぁっとこれ見よがしなため息が藤堂の口からもたらさせる。やり過ぎたかと、一瞬焦るが、杞憂に終わる。自ら双丘を割っていた手に手を重ねられ、やんわりと退けられる。そして、再び藤堂の手が橘の双丘に食い込む勢いで掴まれる。
「もしかしてぇ、庄ちゃん、やる気になったんちゃう?」
「やれやれ…いいでしょう。君がその気なら僕も手加減なんかしませんよ。陽司……大人を本気にさせた責任はしっかりと取りなさい」
「おっ!さっすがマスター!それでこそ男や!そんなら、陽ちゃん、期待に応えてまだまだ頑張るでぇ!夜はこれからや!!!」
煽り煽られ、絞り絞られ恍惚となる。わざと軽口を叩きながらも、気心知れた大人同士のあまく危険な駆け引きにゾクリと身を震わせ、橘はさらなる高みを藤堂と共にすべく腰を淫らに揺らしたーーー
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