オメルタ◆死神と処刑人

□after five
1ページ/4ページ

夕日が差し込むマンションの一室、事務所として使用している部屋にプルルルル……と、電話の着信音が鳴り響く。
デスクの上には、宇賀神が弁護士として請け負っている仕事に関する書類が所狭しと積み上げられていて、電話の相手は自ずと察せられた。
おそらく、いくつか下調べが必要だと宇賀神が言っていた例の資料が手に入ったという知らせだろう。
入手を外部に委託していたのだが、急ぎではないから明日でもいいと伝えていたのに、タイミングがいいやら悪いやらわからないその電話に、俺は舌打ちした。
絨毯の敷かれた床に組み敷かれていた宇賀神が、腰にまたがっていた俺との間の僅かな隙間を利用してくるりとうつ伏せに自ら反転する。
もがきながら数メートル先に位置するソファに預けたスーツの上着、そのポケットに入っているスマホに手を伸ばそうとしているが、それは鳴り響くコール音よりよほどおれを不機嫌にさせた。
本当にこいつはどこまで、仕事一筋なのかともともとイライラしていた気持ちに拍車をかける。
「おい、いい加減にしろよ、宇賀神。さっき今日の業務は終了だとお前が言ったんだろ。だったら電話なんか無視しておけ」
「そういうわけにはいかないんですよ、JJ!貴方は休んで結構ですが、私にはまだ仕事が残ってるんです。電話に出なければーーー何をしてるんですか?ぼーっとしていないで、さっさと退きなさいっ!」
先ほどまで舌を絡めあう熱烈なキスの応酬を繰り広げていた唇で、今度は仕事の邪魔だと言わんばかりに俺を一喝する。
宇賀神は己の腰に跨る俺を退けようと必死に暴れているが、俺はそれを片手で押さえつけて征した。
基本的に宇賀神の意見はなんであろうと尊重してやりたいが、今の俺にそんな心の余裕はない。
そもそもだ。
妖しい流し目とともに、俺を誘惑してキスをねだり、その気にさせたのは宇賀神だったりする。
つまり情状酌量の余地はないと俺は判断した。
「邪魔ですよ、JJ!いい加減にしなさい!!」
「うるさい。そもそも誘ったのはお前のはずだ。だったら俺は俺の好きなようにやらせてもらう」
少し声音を低め、半ば脅すように睨みを効かせれば、宇賀神は反論の言葉を飲み込んだ。
俺が何をしようとしているのか、わざとわかり易く伝えるために、宇賀神の股間のものに手を伸ばして揉みしだいてやると、一瞬にして宇賀神の頬が赤く染まる。
スラックスと下着に阻まれ、直接的な刺激は感じられないだろうが、宇賀神のモノは確かに反応を示し、膨らみ始めていた。
早くも宇賀神の腰が悩ましげに揺れ出す。単純なことに俺の気分が少しだけ浮上する。
「…可愛いもんだな。少し触られただけで感じてるんだろ?」
「…あ、あぁ、…やめ、なさい、JJ、手を…離して…っ!」
「やめない。俺の業務は終了してるし、な?だったら問題は何もないはずだ。さっきも言ったが、俺は俺の好きなようにやらせてもらう」
「…そ、んなこと…私は許さな…ふっ、うんんっ」
揉みしだきながら、ほんの少し宇賀神の身体から警戒が取れたのを見逃さず、床にうつ伏せに組み敷いた彼の首からネクタイを引き抜き、目障りな抵抗を封じるべくその細腕を後ろ手に捻り上げ1つに束ねた。
触れた手のひらから、宇賀神のいつになく火照った体温を感じ、俺の鼓動は興奮と期待で早くも早鐘を打ち出す。
「いきなりこんなっ……、貴方正気ですか?!」
「いきなり、だと?お前……俺がどれだけ我慢してると思ってるんだ?俺は1ヶ月もお前に触れてないんだぞ?」
つまり、裏を返せば宇賀神も1ヶ月俺に触れていないということになる。
性的に淡白な俺ですら、宇賀神と生活をともにするようになって以前よりそういう欲求が増した。
潔癖で高潔そうに見えて、欲求を溜めやすい宇賀神は尚更だろうと察しがつく。
誰に躾けられたのかと考えたら腹わたが煮えくりかえる思いだが、今こいつを独占しているのは自分だと無理やり溜飲を下げながら、俺はお預けにされていた宇賀神の身体をなでやった。
床と俺に挟み込まれた華奢な身体に腕を差し込む。
ワイシャツの上から薄い体を撫でやり、胸にある僅かな膨らみを示す突起を悪戯に指先で捏ねてやると、あっという間にぷっくりと存在を主張し出す。
「身体は相変わらず素直なようで嬉しいが、口もそのくらい素直に強請れないのか?」
「よけいな…んっ、お、世話です、よ…あ、はぅ…ん、…はぁっ…っ」
左右どちらとも、親指と人差し指で摘み上げて揉み込めば、宇賀神の吐く息が熱いそれに変わる。
確認の意味で、先ほど触れてやった宇賀神の下肢に手をやれば、触れるまでもなくスラックスの布地を押し上げんばかりに膨らみが増していた。
もともと自ら誘ってきただけあって、抑え込んでいた欲望に火がつくのは早い。
「わかっているとは思うが、久々なんでな。俺もそれなりに溜まってる。手加減は出来ないからそのつもりでいろーーー」
「や、やめなさい…っ、わ、私は…許可してません」
流されまいとの最後の抗いのつもりなのか。
宇賀神は、役立たずな両腕には頼らず、漏れ出る声を押し殺しながらどうにか逃げようともがく。
そんな宇賀神の腰にまたがっていた俺は軽く腰を上げて、宇賀神のベルトのバックルに後ろから手を伸ばした。
手探りとは思えないほど手際よく外し、下着ごとスラックスをずり下げてやる。
あっという間の出来事に宇賀神が耳を真っ赤に染めるが、往生際悪く、尻を剥き出しにされたまま、肩だけで這いずって行く。
ーーーそんな姿が俺の嗜虐心を刺激した。
仕えるべき主人から獲物に化した宇賀神を、『死神』とまで言われた俺がみすみす逃がすわけがない。
「いい加減に諦めろ。たっぷり可愛がってやるから、そろそろ大人しくしていたらどうだ?」
「私に……こんなことをして赦されると思っているのですかJJ?ここは私の仕事場で、私は貴方の上司ですよ?不埒な真似は許しません!」
「赦さなくて結構だ。誘ったのはお前だろ…」
「………ッ!」
足首を掴んで無理やり引き寄せてやると、肩越しにこちらに向けられた端正な顔が、屈辱に歪む。
普段怜悧に研ぎ澄まされている双眸は凍て付かんばかりに俺を睨みつけていたが、その目元は赤い。
執拗に鳴り響くコール音に気を取られていても、むき出しの尻の狭間の秘孔は既に犯されることを期待してヒクヒクとヒクつき始めている頃だろう。
そう思うと、俺の気持ちはさらに逸る。
宇賀神を油断なく睨みつけながら、ベルトのバックルを外し、おろしたチャックの中から己の逸物を取り出す。
まだほんのりとしか萌していない屹立を自身で扱き、硬さと太さを増した手の中のそれを迎え入れてもらうべく、宇賀神の腰を持ち上げ双丘を割り開いてやった。
ここ何日も繋がっていない秘部はほんのりと赤い粘膜をのぞかせて、想像通りヒクヒクと物欲しげに開閉を繰り返していた。
その情景に、人知れず俺の喉がゴクリと鳴る。
「悪いが挿れるぞ、俺はもうこれ以上我慢できない」
「…ま、待って…!そ、そんないきなり挿れるつもりですか?!!」
「そうだ」
「そ、そうだって…嘘でしょっ?!…待って、JJ…っ、少しでいい、じ、自分で…自分で解します。だから、少しだけ待って…!!」
ここまできたら逃げられないと悟ったのか。
いや、どちらかといえば俺が宇賀神を本気で求めていると感じ取ったのだろう。
取り敢えず受け入れる覚悟はできたらしい宇賀神は、だが慣らしもしない秘部への挿入を拒み、哀願してくる。
が、逆効果でしかない。
「お前、頭はいいのに、こう言う時の察しは悪いなーーーここまでお預けされて待てるわけないだろ」
本来宇賀神はプライドの塊のような男だ。
俺に抱かれることに抵抗はなくても、慈悲を乞うなどこの上ない屈辱のはずなのに、それでも壊されることは怖いのか、妥協案を持ちかけてくるーーが、俺にもそれほど余裕はない。
腰だけ高くあげさせた宇賀神の双丘の間に、己の腰を押し付ける。
肩越しにこちらを見やる宇賀神の双眸が、不安で大きく揺れた。
「あ…待って、JJ…、待ってください!!…無理…です、貴方の……そんなーーーそんな太くて大きいものが、慣らしてもないのに挿いるはずがないでしょ…っ?!」
必死に言い募る宇賀神は、普段言い負かされてばかりの俺からすれば可愛いことこの上ないが、それはそれだ。
拒否されれば俄然燃える。
俺も大概、宇賀神に絆されている証拠だが、こう言う感情は嫌いじゃない。
「おいおい、煽るなよ……。お前なら、できる。それに、少しくらい痛い方が、お前は好きだろーーー?」
「そ、そんなっ!!ーーーーひっ?!ぁ、ぁあ゛…アッァア゛ーーーっ!!」
ぐりっと。
力任せに俺の張り詰めた屹立の先端を飲み込まされた宇賀神が床に這わされた背を反らし、悲鳴を迸らせた。
ぴっちりと閉ざした秘部は見た目通り頑なで、俺の勃起したモノの先端をわずかばかりにめり込ませているだけなのに皮膚が限界まで張り詰めている。
早くも宇賀神の太ももが痙攣し、ビクビクと足の付け根か震えていた。
だが、強張る宇賀神とは裏腹に中の粘膜は久々の雄を歓迎するかのように蠕動している。
「息を詰めるな。呼吸をしろーーーそうだ、少し緩んだ……そのまま、もう少し挿れるぞ」
「…あ゛、……ぃ…あ、ぁあ゛…っ」
痛みにより押し出された生理的な涙が宇賀神の白いほほを伝い、シャープな顎先から滴り落ちる。
縋りつこうともがいているのか、宇賀神の細い手首にネクタイが食い込んで肌を紅く染めている。
まだ痛みのが優っているはずだが、無理矢理犯されることに慣れた身体は萎えることはなく、股間のものは膨らみを見せていた。
宇賀神の悲鳴じみた嬌声がすこし落ち着くのを見計らい、俺はまたぐぐっと、屹立をねじ込む。
暖かいと言うより熱い宇賀神の粘膜に包まれていく屹立が、ひどく心地いい。
「あぁ…くそ、気持ちよすぎだろ…」
「…あ…ぁあ、ひ、どい…こんな…う、ぁあ…」
強引に突っ込まれても快感を感じている証に、先端から先走りをこぼし始めながら宇賀神が、息も絶え絶えに恨み言をいう。
酷い、強姦魔、最低ーーー。
宇賀神にしては幼稚すぎる罵倒は、それほど余裕がないという事でもあり、思考を乱すほど興奮しているのかと思えば俺の心は踊るばかりだ。
俺の体温が鼓動が、ますます高く、そして早くなる。
宇賀神の中は、ひたすら心地よく、もっともっとと俺も貪欲になる。
「こんな…無理やりするなんて…っ、JJ…貴方…私を愛してないんですか…っ?」
「お前……俺を放ったらかしにしておいてよく言うな…。飢えてたから、こうなったんだろうが」
「…お預けくらい…んっ、出来なくて…私の護衛が務まると…思われてたとは。…ん、覚悟が足りないんじゃ…ない、ですか?」
「失望させたなら悪かったな。こう見えて俺も恋人の前じゃその辺にいる愛に溺れる愚かな男と変わらないんだよーーーーほら、頼むから、もう少しでいいからお前の中に俺を挿れさせてくれ。お前の熱を、体温を…感じたい」
「ふっ…ぁあ、くぅうっ…はっぁあ」
単純で純粋な求め方にほだされてくれたわけでないだろうが、俺の素直すぎる言葉に宇賀神は苦しげに眉根を寄せながらも意図して深呼吸を繰り返してくれる。
ゆっくりと、だが確実に身体のこわばりを取ろうと必死に励む姿は、普段難しい顔をして資料を読んでいる宇賀神より何倍も健気で可愛らしい。
こんな素直で純粋な一面を持っていることを知っているのは俺だけだと言う優越感に、俺はまんざらでもない愉悦を感じた。
「よし…いい子だな、宇賀神。這入っていく…分かるか?」
「ひっ、ぁ゛あ…ぁあ゛あっ…、も、もう…、…無理…です…。…抜…いて、…ぁあ、JJっ一度…っ、抜いて…ださい」
「悪いがそれは無理な相談だな」
きゅうきゅう吸い付くように屹立に絡まってくる媚肉に、ヒクヒクと怯えたように震えながらも中に引きずり込もうと蠕動してふるえる秘部。
加えて、滅多に汗をかかない宇賀神がひたいに汗を浮かべ俺を求める仕草に、恍惚とするなと言う方が無理だ。
「欲しくないか…俺が」
「…っ……」
怪しく、誘うように、蠱惑的に響くように意識しながら、俺は宇賀神の耳元で囁く。
「奥まで挿れてくれたらお前の好きなところを思いっきり俺のコレで突き上げて、ここをグズグズに蕩けるまで愛してやるぞ…?気持ちよくして欲しくないかーーー?」
お互いに溜まってる。
そんな状況で、宇賀神がどこまで強情を貫けるかくらい、短くない付き合いになってきた俺には分かる。
「どうして欲しい?言ってくれ、宇賀神。俺にどうされたいーーー?」
甘く甘く、宇賀神の理性を溶かすようにささやかながら、宇賀神の形のいい耳の穴に舌先を忍び込ませる。
丁寧に舐め上げ、クチュクチュと舌先で音を立ててやる。
宇賀神の、俺を咥えた秘部が、痛いほどに俺を締め付け出す。
「言えよ、本当はもう我慢できないんだろう?俺に、どうして欲しい?」
「…て、ください…、貴方が……しい」
「ん?なんだ?聞こえなかったもう一回言ってくれ」
「だ…から!!全部…挿れなさいと言ったんですよ…っ!!ち、中途半端に…する、くらいなら……全部、全部貴方が欲しい…っ!!」
しつこいほどに促せば、顔を羞恥で真っ赤に染めて、泣き叫ぶように求めてくれた宇賀神に、俺の頬は自然と緩む。
宇賀神に中途半端に突き入れていた屹立は、ドクンドクン…とさらに鼓動を早め、これ以上ないほど硬く撓っていく。
本当に、俺の恋人は美人な上に可愛らしくて、俺の理性を砕く天才だ。
「やっと言えたな。ああ、お望み通り挿れてやる。分かってると思うが、力むなよ?」
「ひっ?!あ、ぁあっ、あっ、あーーーーーッ!!!!」
ジワジワとゆっくりと飲み込ませてやれるほど俺には既に余裕などなく、残りを一気に押し込んだ。
串刺しにされた衝撃があまりに激しかったのか、挿れた瞬間、宇賀神の屹立から白濁が撒き散らされる。
だが、本人にイッた自覚がないらしく、ただひたすらに涙を流し、淫らに喘ぎながら呼吸を貪っている。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ