オメルタ▲豹と狼

□臆病な恋人
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「JJ…ッ、JJ……ッ!!」
「ぁあっ!!……やぁっ…あっ、ひぁあ……っ!!」

がむしゃらに、力任せに、後孔を熱く猛った楔で貫かれ、俺はろくに抵抗することもできずにベッドの上で身体を跳ねさせた。
貫かれたまま何度も何度も中にある凝りを突き上げられ、全身を駆け抜ける鋭い快感にあられもない声が俺の喉から止めどなくこぼれ落ちる。
正常位で正面から犯されているせいで、後ろ手に手錠に繋がれた両手が背中の下敷きになり、関節が悲鳴をあげていたが、橘はそんな俺の苦痛に気がつくことなく俺を貪り続けていた。

「やめっ……橘っ、苦し……橘っ!!」

両足を限界近くまで開かされた上に膝が胸につくほどに折り曲げれ、呼吸が苦しくて俺は橘の名を必死に呼んだ。
一瞬、橘は俺と視線を合わせたが、思いが通じることはなく、また激しく突き上げられる。
くっと眉根を寄せ、首を左右に降って態度でも辛いのだと伝えようとしたが、橘は俺の訴えをきれいに無視し、俺に欲望の矛先を真っ直ぐに向けてくる。
仕事が終わり、帰宅して早々、俺はベッドに組み敷かれた。
一仕事終えたあとの興奮そのままに俺を求めてくる橘を一度は本気で拒んだのだが、何処からか取り出した手錠に両手の自由を奪われては拒みきることができなかった。
命懸けの駆け引きを終え、精神的にも肉体的にも疲労したのは橘とて同じはずなのに、彼はそんな気配を微塵も感じさせない。
人のいうことを聞かないのは日常茶飯事だし、俺の言葉を無視して何度も事に及ばれたことは数えきれないが、こんな風に手錠など使用したことはなく、いつもと違う抱き方に俺は少なからず戸惑った。

すでに一度、橘の放ったもので濡らされた俺の秘部から、肉茎に押し出された白濁が尻の割れ目から滴り落ちてシーツを濡らしていく。
橘が腰をぶつけてくる度に腰がシーツから浮き上がり、ヌチャ…ズチュゥ…と、酷く卑猥な音が漏れだし、薄暗い室内に淫靡な波紋を広げる。
あらぬ場所から聞こえてくるその音に俺の羞恥心は増すばかりだが、俺の身体は心を見事に裏切って美味しそうに橘にしゃぶりついていた。

「…ンァッ…、くっ、ぁあっ、…んうっ!!」

食い付くつもりは更々ないのに、前立腺を断続的に刺激され続けたせいで、下の口が勝手に収斂を繰り返し、結果として橘のものを勝手に締め付けてしまう。
相変わらず可愛ええな――と、笑い声が聞こえた。
橘を伺えば恍惚とした表情を浮かべ、更なる悦楽を貪ろうと舌嘗めずりをしているところで、俺はその獣じみた仕草にゾクッと背筋を震わせた。

「…ふっ、あぁあっ…くふぅうっ…」
「エエんやな?…気持ちええやろ?…JJ、もっと声、聞かせてくれ……もっとや、もっと!!」
「うぁあっ、…もぉっ…やめっ、あんぁあっ…!!」
「……ははっ!JJん中、とろとろで温っかい
わぁ……最高や、ええよっ、あぁ、JJっ、JJ――!!」

俺を感じさせる、と言うより、己の快楽を橘は必死で求めている。
俺の欲望の証しには一切触れず、ただ盲目的に橘は俺を穿ち続けている。
後ろだけでも十分刺激が強いが、前を放置されたままなのはやはり男としてはもどかしいのだが、それでも橘に慣らされた身体は否応なく感じさせられ、口からは耳を塞ぎたくような艶やかな声が滴り落ちる。
橘をくわえた秘部はすっかり橘の形に開ききって、当然のようにヤツを受け入れる。

最早やめてくれと言う言葉は届かないだろう。

俺の雄も、既に勃ち上がり、愉悦の涙を滴らせていた。
ここまで来たら、早くイカせて終わらせるしか方法はないと、俺は揺さぶられながら算段をたてた。
橘のものが一度抜けるはギリギリまで引き抜かれ、凄まじい早さで戻ってくる。
俺はこの瞬間を逃さず、最奥に到達する瞬間を見計らって思いっきり絞り上げた。

「うわぁ?!!」
「くぁあっ?!……ぁあっ―――!!」

橘が予期せぬ締め付けに狼狽した声をあげたと同時、俺の中のものが膨れ上がり、そして、弾けた。
そうするように仕向けたのは俺だが、最奥に灼熱を浴びて声を殺すことはできなかった。
橘が背筋をぴんっと伸ばし、俺の中に余すことなくすべてを吐き出していくのを感じながら、俺も二度目の飛沫を吹き上げた。
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