陽光 その二
□拗執
1ページ/5ページ
朝、シンの体調が至極悪いことに気づいたのは、ヒロインだった。
「シンさん、ソウシ先生のところへ行きましょう」
「……。気にするな。このくらい、たいしたことはない」
いつもならシンの言葉に、しぶしぶでも引き下がるヒロイン。
けれどその朝は、違った。
まだベッドに座っているシンを見て、譲らない。
「たいしたことないうちに、薬飲んでおけば、ひどくならずに治ります。医務室へいきましょう、シンさん」
ヒロインが、シンの手を引く。
「………」
仕方なく立ち上がって医務室へ行こうとしたシンだが、めまいと微かな吐き気に歩みを止めた。
自らの意図に反し、足元がふらつく。
予想を超えた自分の身体の反応に、シン自身も驚く。
「シンさん? …やっぱり、座ってて下さい」
ヒロインが、部屋にシンを残して出て行った。