航海士用語解説書

【は】 10件

【嵌輪 (はめわ)】
布にそのままロープを通すと、布が破けたり伸びたりする。
そこで、布にこの金具を縫いつけ、金具にロープを通す。
帆のロープは、全てこの金具で取り付けられている。


【ハンドログ (はんどろぐ)】
船の速さを測る道具の名前だ。
ロープに結び目があり、端には浮きがついている。
ロープを海に入れ、砂時計で時間を計りながら、砂が落ちるまでに流れて行った結び目の数で、速度が判る仕組みだ。


【バイザウインド (ばいざういんど)】
帆船が持っている性能、ギリギリのところで進むことをこう呼ぶ。
風上の目的地に向かって、風上に走る状態だな。
これは、技術を要する航行だぞ。


【バウスプリット (ばうすぷりっと)】
船首に突き出ている棒のことだ。
役割はいろいろあるが、いちいち説明するのもな…用語が増えるだけだ。
場所くらいは覚えておけ。


【バック (ばっく)】
帆船にとっては、ありがたくない現象だ。
向かい風で帆が裏返しになる状態だからな。
「裏風が入る」とか「バックを打つ」という言い方をする。
とにかく船首の向きを変えて、風向きをクロースホールにする必要があるな。


【バックスタッフ (ばっくすたっふ)】
天測器のことだ。
太陽を背にして、これを構え、影を利用して緯度を測る道具だ。
どんな形をしているかは、画像をみてみるといい。


【バラスト (ばらすと)】
帆船は帆の重量があり、そのままでは船体よりも甲板上部が重くなりやすい。
つまり、頭でっかちで倒れやすくなる、ということだな。
そこで、転覆を防ぎ、重心を下げて、左右の安定性を保つため、船底に入れるのが、バラストだ。
砂利、土砂、丸太、石などさまざまなものがバラストに使われるが、積み荷の状態によって、移動できるものが基本だ。
バラストを入れることで、喫水が増して重心が下がり、船は安定して航行できるわけだ。
このバラストの調整も、航海士の大切な仕事だな。


【バルバドスの水 (ばるばどすのみず)】
これは、船長が愛用しているな。
ラム酒のことだ。
酒は水よりも腐りにくいから、長く航海をする船上では飲料として愛用される。
乗組員の多い船では、水で薄めたラム酒を常備していて、それを飲み水の代わりにするそうだぞ。
もっとも、シリウス号では、水が腐る前に港や無人島で調達できるよう、俺が調整しているからな。
お前が水代わりにラム酒を飲む必要はない。


【バントライン (ばんとらいん)】
これも、帆をたたむためのロープの名前だ。
ロープが通してある場所や、帆の形状によっても、呼び名が異なる。
本来、帆は何人もの人間が協力して、たたんだり広げたりするものだからな。
自分が、どの部分のロープを引くのかわかりやすいように、場所によって、何種類かの呼び名があるわけだ。


【パーム (ぱーむ)】
破れた帆を縫うための、掌にとりつける道具だ。
帆に使われるキャンバス生地は丈夫だからな。



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