短編

□一目惚れ
1ページ/1ページ






(…このまま行ったら完全に遅刻だな)


俺は焦りもせずポケットに手をつっこみ、いつもと変わらない通学路を歩く。
俺は、俺と同じように歩いている女の子の後ろ姿を見ていた。


(見ねぇ制服…。どこの高校だ?いや中学生か?)


家を出てからその女の子の後ろをずっと歩いている。
お互い歩くスピードも変わらないものだから、距離も家を出てからと変わらない。


いい加減、前を歩いている女の子の顔が見たくなってきた。
後ろ姿からして絶対可愛いと思う。足も細いし、風でなびく髪もサラサラ。


(見たいなぁ、顔)


…走ってあの子の前に行って、見てみるか?
いや、やめておこう。もしあの子がブサイクだったら…と考えたら、走った体力が無駄になる。

あの子が振り返ってくれたら、早い話なんだが。


「ゴ…ゴホン!」


俺はわざとらしくあの子に聞こえるように、咳払いをした。
しかし、振り返ってはくれない。


「にゃ…にゃお〜」


とかも言ってみた。
こんなに恥ずかしい事をしたのに、その子はまだ振り返ってくれない。


どうやったら振り返ってくれるだろう。


「べーーーっくっしょんっ!」


…くそぅ、やはり振り返ってくれない。
こんなに後ろが騒がしかったら、俺なら絶対振り返るだろうに。


(顔、見てぇ〜)


そう思った時、一瞬。本当に一瞬だけど、その女の子が横を向いた。


(おお!?)


…一瞬だし横顔しか見れなかったので、あまりちゃんと見れなかった。


(でも、あの横顔…。絶対可愛い!)


あの子の横顔を見て、余計にどんな顔なのか気になってきた。

その時、生暖かい風が吹いた。とともに、その女の子のスカートがめくれた。


(お、おおお!)


それを必死に隠そうとする仕草が、なんとも愛らしい。
その女の子は誰にも見られていないかと、キョロキョロと辺りを見回す。
そして遂に、その子が俺の方を振り返った。


「あ、」








一目惚れ
(ま、待って!)
(…え?)
(名前…教えてくれね!?)




end.

あとがき(反省会)
今回の小説はボッスンがヒロインに恋に落ちる瞬間を書いてみました。

ボッスン、通学中…ヒロインに一目惚れをしてしまい、その上最後ナンパをしてしまいました。
ボッスンに一目惚れされるなんて、いいなぁ。

あ!今回は名前変換でてきませんでした。すみませんでした。



管理人.陽
2011/05/28

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ