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□電子音
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プルルプルル…
部屋に響く無機質な電子音。
根源は、1人の少年の手にある物。
「…でない、のかな」
小さく呟く少年は只、耳元のそれに耳を澄ます。
だが、いつまでも電子音が聞こえてくるばかりで、それに出てくるのは不安ばかり。
「ヤッパリ…でない…?」
諦めたくない。
今かけているのは、今日アイツからもらった番号。
親しくなって、それからずっと想ってきて、俺が携帯を持っている事に気がついたアイツが番号をくれた。
十二番隊に頼んで、尸魂界と現世でもつながるようにしてもらった。
「…」
『…ぷつっ』
「っ!!」
諦めてきろうかと思った矢先聞こえた途切れ
る音。
期待に胸が膨らむ。
「もしもし?」
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