□咲けない唄
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なぁ、黒崎…


俺達は…





けない





少し小高い丘の上。


冬獅郎は、一人佇んでいた。


彼は何をするでもなく、

落ち着きのない様子で誰かを探すように、首をあちこちに巡らせるだけ。


そして誰も居ないのがわかると、深く溜め息はく。





「…こないな…」




小さい囁きは、意外にも静かな丘に響いた。


誰からの返事も無いのに、少し虚しさを覚える。


彼は今日、一大決心をしてここに臨んでいる。


彼にーーー





「…黒崎」




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