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□この天然が!
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先程から、少し長めの黒髪が当たってくすぐったい。
払いたいが、手を押さえられていて払えない。
ソの手を振り払えばいいことだが、体重をかけていて退かせない。
そんなことに気を取られていると、白哉がやっと口を開く。
「…兄は…」
「…?」
「兄は、私が触れるのは嫌か…」
「………は?」
だが、いきなり意味の分からない事を言い出
した。
触れられるのが嫌?
嫌ではないが、うれしくはない。
寧ろ男が男に触れて、うれしい奴がいるのか?
「いきなりなんだよ…」
「…兄は時々、震えている…私を拒絶、する
ような行動もとる…」
「…ばか…」
別に拒絶していたわけではない。
只、恥ずかしかっただけだった。
「…気づくんならちゃんと気付よ…」
この天然貴族が…!!
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