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□のぞみ
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望実が首を傾げると、一護はそれに首を傾げる。
「望実?一応死神だろ??精神世界…知らないのか?」
「…そうじゃない…」
「??」
普通、精神世界に他人が入ることはできない。
例えどんなに会い接しようと、人には他人が入ることのできない境界線が必ずあるからだ。
それでなくとも、自分達はあまり共通点がない。
どうあがこうと、そんな事起こりはしない。
だが、事実上現実にそうなってる。
一護もそれに気がついたのか、あぁ!と声をあげる。
「そっか!普通入れないもんな!!」
「…気付かなかったのか…バカ…」
「ちょ…バカはねぇだろ;!!」
「…何があった…」
無視かよ!!
叫ぶ一護。
だが、そんな事どうでもいい。
消えた彼が此処にいるという事は、少なからず生きているという事。
けれど、一護の霊圧は完全に感知できなかった。
なら、なぜ…
「…俺もわかんねぇよ…因幡の野郎に断崖に入れられて、コウトツが表れたと思ったら、此処にいたんだよ。」
「…そうか」
「…望実こそ何で此処にいんだよ?普通なら
ねぇだろ??」
「…わから…ない
私も此処にいた…」
投げ捨てるように呟くと、小さくそうかといって黙った。
その後、話題を変えるようにアイツから話し始めた。
お互い何も知らない分、話自体は盛り上がらなかったが、少しだけだけれどお互いを理解した。
…いつの間にか、自然と笑えている気がした。
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