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□歌った唄歌えない唄
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「あんた、隊長の事フったでしょ!!?」
偶々通りかかった名も知らぬ隊員が、
叫びに驚いてこちらに視線をやっているのがわかる。
だが、今の乱菊にはそんな事関係ない。
軽くハァハァと聞こえてくる息づかい。
それでも唇を一度噛み、もう一度声をあげる。
「どうなのよ一護!!?」
「……」
それは確かに先程出来事。
彼が何か言う前に、自分が制止させてしまった言葉。
もしかして聞いていたのか…?
冬獅郎が何か言うとは思えない。
自分も、今し方会ったばかり。
彼女が知るよしもない。
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