1
□最後の恋唄
3ページ/16ページ
でも、事実彼はきていない。
そして自分も、彼に会いに行っていない。
怖いのだ。
彼の目が。あぁ、これなら
「…松本…」
「はい?」
「進まなきゃよかったな…」
前に進まなきゃよかった。
フられるとわかっていても、抑える事のできなかった感情がダメだった。
頭ではそうわかっているのに、体が、心がついていかない。
まだ、彼を求めている。
「…隊長は…本当にそう思ってるんですか…?」
「…ああ」
「…じゃ、なんで彼に会いに行かないんですか?」
「…」
黙るしかできない。
_