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□What name Mean?
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そこでハッとして息を呑んだ。
だいぶ傾いた日で、
一護と同じ色で照らされた教室や彼の頬。
少し眩しそうに緩く細められた瞼。
頬に落ちる影は妙な色気を放っていて。
その奥の琥珀色はどこか儚げに揺らいで見えた。
それはまるで完璧に研ぎ澄まされた
映画のワンシーンでもみているかのような美しい構図だった。
それと同時に、決して誰にも演じることのできないであろうその儚げな様は、
どこか夕日の中に消えてしまいそうだった。
(あぁ…)
「一護…」
「んー?どした?『水色』」
パッとして此方を振り向いた一護はいつも通りで。
それでもどこか脆いと感じてしまうのは僕だけだろうか?
何でもないといって少し目を背ければ、
そっかといってまた窓枠に手をかける。
そしてまたそっと彼に視線を合わせ見つめる。
すると意外にもすぐその脆さの原因がわかった。
(そっかー…)
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