リレー小説
03/23(Sun) 20:54
弐話 買い物
月詠
「チェシャ猫さん、あんなに綺麗な髪なのに………わかりました」
そう言われて先に櫛を選ぶ。
どうせなら家にあるのと近い形のにしたい。
櫛を選んでいると、気になったのを見つけた。
髪を梳くブラシに似た形をしていて、色はピンク。
家にあるのと似ている。
それを手に取り、持った時の感じを確かめる。
うん、いいかもしれない。
「櫛はこれにしますね。
髪紐は…」
小箱の中にある髪紐を選ぶ。
髪紐なんて使ったことが無いウチは迷ってしまう。
ふと気になったのを見つけた。
黒に銀色の糸が編み込まれた髪紐。
綺麗だなと思い、それを持った。
夜の中に輝く星をイメージするような、髪紐だ。
03/23(Sun) 21:20
リトマス紙
「気に入ってくれはりました?
えぇやつ選びんしたなぁ
可愛ぇ子ぉには綺麗なもんがお似合いねぇ」
リドルはくすくす笑う
すると後ろからチェシャがペン片手に歩いてきた
「あー、やっぱ苦手だわ
リドルー終わったよー」
「どないでした?」
「変わらん」
「…そないやから第二解放せんのよ?
聞いてくれはる?猫ちゃんね?本当は臨界点は遥かに越えとるんに抑えとって全く無理になっとーよ」
「言うなリドル、儂はめんどいからやらないだけだ
これだけでじゅーぶん」
「そないやから髪もぼさぼさなんえ?
可愛子ちゃん、猫ちゃんの髪、手入れしたって?このままやったら痛んでギスギスんなるわぁ」
「ほっとけ」
「いやです」
「………」
「な?頼みますわぁ
妾のお願い、聞いてくれるゆぅなら今回の櫛と髪紐の対価はそれでえぇんよ」
03/23(Sun) 21:28
月詠
「ウチは可愛くないですよ」
リドルさんの言葉に意識が戻り、苦笑して返す。
チェシャ猫さんが戻ってきてからの二人の会話を聞き、テュールが遠い目をしていた。
にしても髪の手入れ、か。
「すみません……髪の手入れの仕方が分からないので、無理かもしれません…」
実際問題、ウチの髪も枝毛あるし。
「でもチェシャ猫さん、せっかく綺麗な髪なのに…」
03/23(Sun) 21:39
リトマス紙
「難しくはないんよ?ただ櫛で梳いてくれんだけでええんやえ」
「生まれてこの方枝毛一本もないから平気」
「今はそれでもいつしか痛むやし!!」
「……」
「お願いできます?
それに、妾可愛子ちゃんの名ぁ知りへんの」
リドルが首を傾げる
その後ろでチェシャは難しい顔をして自分の髪を弄っていた
03/23(Sun) 21:44
月詠
「なるほど……チェシャ猫さんから許可がいただけたら、になりますが。
あ、すみません。ウチは月詠と申します。名乗るのが遅くなってすみません」
リドルさんに向かって頭を下げる。
ホントにすみません……。
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