リレー小説

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03/19(Wed) 20:55
零話 始まり
月詠

学校を卒業し、バイト先を探す。
それが今のウチの生活だ。


「んー……疲れた…」


家までの帰り道、歩きながら呟く。
職安と家の距離は歩いて一時間。
だいたい半分くらいまで来た。

ふと、輝くものがある。
それに近づくと見たことのある形をしている。
何だったろうか?
ぼんやりと考えながらそれに触れると、目を開けられないほど強く光った。



――――

なかなか集まらないので、勝手ながら始めさせていただきます。
申し訳ありません。

03/19(Wed) 23:44
リトマス紙

「……」




風が吹く何もない荒野で褐色の肌の少女が黒いコートを翻してぼんやりと立っていた


藤色の長い髪が顔に掛かり、伏せられた睫毛にかぶさる




「………暇だ」




空気を叩くソプラノが少女の口から放たれ、溶けた

裸足の足が地を踏み、ぴちゃりと水音を鳴らす




「…ここは、もう駄目ね」




自身の足元に転がる赤い塊を蹴り飛ばし、少女は数分前まで街だったはずの、廃墟が立ち並ぶ荒野から姿を消した

03/20(Thu) 07:38
月詠

気がついたら、知らない森の中だった。


「……は!?」


思わず辺りを見回す。
ホントに見たことがない。

荷物を確認する。
茶色く、持ち手がある革?のショルダーバッグは無事。
手にあるのは先ほど見た不思議な物体。


「……これって、」


イノセンス、という言葉が。
頭に浮かんだ。


「……せめて村か街で宿だけでも確保しないと」


歩き始めたウチは知らない。

ここは迷いの森と呼ばれ、神隠しが起こる場所だと。
そして運良く帰れたとしても、神隠しが起こった時から数年から数十年かかる場所だと。
………………アクマが、大量にいると。

03/20(Thu) 18:58
リトマス紙

「何処だ、此処は」



ぼんやり歩いていた少女は現在地が判らず頭を捻る
右を見れど左を見れど木ばかりで一体何処にいるのか皆目検討つかない

長い時間歩いていた所為か体に付着していた液体は乾き、パラパラと剥がれ落ちた



「…ん?」



ふと、微かに聞こえた音に疑問を感じて視線を巡らせる
すると、宙に浮かぶ球体が少女の前に表れた



「…めんど」



億劫そうに呟いた少女は球体が銃身を向けるより先に動き出す

打ち出された弾を太股に括り付けていた黒い棒のようなもので弾き、跳躍した



「LEVEL1のAKUMAか…一本で十分だな」



そう呟くと手近にある木に着地し、腰に巻いてあるベルトについたチャームの一つにその棒を押し当てる



「イノセンス、発動」



チャームから棒を離すと、そのチャームと同じ色の刀身が現われる
赤いその刀を逆手に持ちかえ、もう一度跳躍した



「燃やせ、ルビー」



突き刺した部分から勢いよく炎が噴出し、球体を包む

そして灰になり、地に着く瞬間刀を引き抜いて振るった



「時間の無駄…」



燃え尽きた球体の名残を見ながら前髪に隠れた右の眼帯をゆるりと撫でた

03/20(Thu) 19:13
月詠

何かの音が聞こえたが、よく分からない。
最近は空耳も増えたので、いまいち自信がない。

不意に機械のような音がした。
そちらを見ると丸いやつ。
レベル1……AKUMAだ。
一瞬、呼吸を忘れる。


「あ……あぁ……っ!!」


恐怖に腰が抜ける。
銃身がウチを向く。

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない!!

ウチの持つイノセンスが、強く輝く。
頭に浮かんだ言葉が、自然と口から出る。


「イノ…セ、ンス発動!!」


イノセンスがウチの右手に入り、右の手の甲に十字架が現れる。
けれどそのことに気づかず、ウチの意識が遠ざかり、倒れた。

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