リレー小説
03/21(Fri) 14:41
リトマス紙
エメラルドのチャームがぱちりと静電気を放ち、行く先を示すように細く伸びていく
こちらだ、とまるで案内するように
辿り着く先にいたのは、数多の傷を負い右足と腕の各箇所が骨折した少女だった
03/21(Fri) 14:49
月詠
思わずぎょっとした。
けれどお姉さんのことがあるため、何も言わずに伸びた先へと走る。
「お姉さん!?」
お姉さんの姿に驚き、即座にテュールに聞く。
「テュール、回復系の技は?」
《あるぞ》
「なら……イノセンス発動」
イノセンスを発動し、テュールと入れ替わる。
テュールは姿を変え、服装は白いワイシャツに黒いズボン、ロングコートにしている。
「月の加護」
小さな淡い金色の光が現れ、それは弾けて雨のようにお姉さんに降り注ぐ。
それらは傷を癒していく。
……頭、痛い。
03/21(Fri) 15:09
リトマス紙
(う……)
「気が付きましたか?」
(ここは?)
「マスターの精神の裏側です
寝ていらしたのでこちらにお呼びしました」
(…そっか、寝てたんだ
で、あなたは?)
「僕は逆十字、マスターのイノセンスです」
(逆十字…なら、何故実体化できるの?)
「それは…マスターの力を使わせてもらいました……そのっ、すみません…」
(別に良いけど、人を呼んでくれたんでしょ?)
「あ、はい」
(ありがと
そろそろ起きるわ、またね逆十字)
「はい、マスター」
──
微かに少女の瞼が震える
そして、臙脂色の瞳がテュールを捉えた
「君……さっきの…」
まだぼんやりする頭で少女はぽつりと呟いた
「ありがと…なんもしてないのに、ごめんね」
それの意味は、見つけてくれた事と、傷を癒してくれた事を含めていた
03/21(Fri) 15:15
月詠
「気にするな」
テュールはある程度だが傷が癒えたのを確認し、月の加護をやめる。
《テュール……頭痛い》
「月の加護はお前にいくからな」
《マジか》
「マジだ」
月詠と軽く会話をし、少女を見る。
「月詠から伝言、『助けてくれてありがとう』と言ってた。
教会に俺達は居候することになったが、君も来るか?」
心配だし、とテュールは付け足した。
03/21(Fri) 15:22
リトマス紙
「助ける?儂、何かしたっけかな?」
はて?と少女は首を傾げる
そして、こくりと頷いた
「できるなら、儂行くとこないから、困ってたんだ」
所謂ホームレス状態の少女は無邪気に笑う
立ち上がりながらコートの汚れを叩き、再び頭を下げた
「よろしく、できるかな?」
心配そうに首を傾げて少女は尋ねた
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