リレー小説
03/21(Fri) 17:50
リトマス紙
テュールの説明を聞いて少女は興味深そうに頷いた
「ほぇぇ、凄い…儂の逆十字より強そう
いいなぁ、自我のあるイノセンス」
少女は呟いて太股に固定した二本の柄を撫で、チャームを鳴らす
一つ一つが違う宝石でできたチャームの光を見つめながら、少女はテュールに向けて笑った
「君がこんなに優しいのは月詠ちゃんが優しいからかな?
大切にするんだよ
………人間は、脆いから」
最初はおどけて、しかし最後の一文は聞き取れないほど小さく悲しく呟いた
そして、眼帯のされていない左目が、臙脂から紅蓮に一瞬だけ変化したのを、テュールは気付かなかった
背後で、僅かな変化をもたらした少女は、笑って、瞳を戻す
「早く月詠ちゃんと話してみたいなぁ♪どんな子なんだろ?」
努めて明るい声が、チャームの音と重なった
03/21(Fri) 18:01
月詠
「とりあえず馬鹿、だな」
《悲しいが否定しない》
「そして言われたことをあまりしようとしない」
《……おうふ》
記憶を探りながらテュールは言う。
「ただ、優しいのはあるかもな……多分」
あまり分からないな
そう言いながらテュールが苦笑する。
お互いによく知らない仲だから。
03/21(Fri) 18:06
リトマス紙
「わからなくても、これから知り合っていけばいいのさ
ところでさ?教会っていつつくの?」
思いついた疑問を少女はぶつける
手持ちぶさたに片方だけ柄を揺らし、素足が砂を踏む感触を楽しんでいるようだ
03/21(Fri) 18:28
月詠
「もう少ししたら着く……ああ、姿も戻さないと」
ため息を吐き出してテュールは姿を月詠に戻す。
瞳の色が深緑なので、技を使って茶色へと変える。
「教会に着いたら俺は月詠のふりするから。月詠は説明が下手だからな」
見えてきた教会へと向かいながら言う。
03/21(Fri) 18:48
リトマス紙
「わかった
名前間違わないようにするよ」
少し楽しそうに少女は頷く
そしてコートの前を全て閉じて、イノセンスが見えないように隠した
「この世界って厄介だよねぇ
イノセンスを持ってたら襲われるし、弱かったら食われる
残れるのは強い奴だけ
本当に厄介な理、まあ、楽しいけど…」
呟いて少女は一つずつコートの上からチャームを確かめていく
「儂弱いからすぐに食われるかなぁ
まだ第一解放しかできない…
君は、どこまでできる?」
再び少女は純粋な質問を投げ掛けた
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