リレー小説
03/21(Fri) 22:02
零話 裏
リトマス紙
ぐっすり眠る少女はごろり、と寝返りを打つ
その隣に、青薔薇の花弁が吹き現れた
少女だけが眠る部屋にダークブラウンの髪を持った青年が現われる
そして、少女の頭を撫でた
「俺らを呼ぶくらいしろよな、この馬鹿
ま、あの子に頼むくらいしか今は術がないけどな」
何とも言えない顔をして、青年は部屋から消える
再び静寂が舞い降りてきた部屋で、寝言のように少女は呟いた
「サイト…」
と
03/21(Fri) 22:08
月詠
「疲れた……」
《すまないな、月詠》
自分の部屋に入り、ジャンパーを脱いでベッドに寝転がったウチは呟く。
頭がガンガンする。
テュールは申し訳なさそうに謝ってきた。
「別にいいよ、ウチに負担がかかっても」
あのお姉さんを助けると言ったのは自分だから。
眠気が襲ってきて瞼を閉じる。
意識は闇に絡めとられた。
03/21(Fri) 23:04
リトマス紙
キィィィィィィィィィィィィィ──
「んん…」
キィィィィィィィィィィィィィ──
「んぁ……くぅ」
キィィィィィィィィィィィィィ─!!!!
「っだぁぁぁ!!五月蠅いなぁ!!耳痛いわ、耳鳴りか!!」
翌朝、少女は突然部屋に響いた甲高い耳鳴りを誘発するような音で目を覚ました
快適な目覚め、とはいかなかった所為か少女の眉間には深い皺が刻まれている
「朝、か…もう少し穏便に起こしてほしかったかな、耳痛いよ逆十字」
[朝は起きる時間です]
「儂からしたらまだ寝る時間です
おやすみなさい」
[あ、マスター!?起きてくださいー!!]
逆十字は再び甲高い音を鳴らしだした
しかし近所には聞こえない音
犬笛のような、女の子や若い人しか聞き取れない音を鳴らし続けた
03/22(Sat) 08:14
月詠
甲高い音に目が覚める。
「うるさ……っ」
《起きたか》
頭の中に響いた声に一瞬、驚くが昨日のことを思い出して納得した。
「ん……おはよう、テュール」
《おはよう、月詠》
起き上がってベッドから降り、鞄から携帯を取り出す。
六時か……。
「とりあえず、この音って逆十字さんだよね…」
《ああ》
テュールからの言葉に頭を抱えた。
お姉さんを起こそうとしてるのかもだが、大怪我だったからまだ眠っててほしい。
ため息を吐き出し、テュールには少しの間だが干渉を絶ってもらい、昨日に神父様から借りた着替え用のシスター服に着替えるために服を脱いだ。
03/22(Sat) 09:16
リトマス紙
[起きろー!起きてくださいマスター!]
「………」
[朝なんですよ!!朝は起きる時間ですー!!]
「………」
[起きなかったらダメなんですー!!!]
ブチッ
「っだぁぁぁ!!!うるっさいなぁ!!怒鳴りとともに音を鳴らすな!!モスキート音か!!
しかもね、儂は寝たいの眠いの眠りたいの!!起こさないでくれるかなぁ!!」
[それでも朝は起きる時間です!!起きないのはダメなんです!!]
「……くそが…」
[なんですってー!?そんなんだからマスター僕とシンクロ率上がらなくて第二解放できないんですよ!!]
「あれより強いチャームが出るならまだ第一解放で十分だわーい!!」
逆十字が鳴らしていたモスキート音より五月蠅い大音量で二人は怒鳴りあう
近所迷惑を考えてはいるのか遮音性の壁をイノセンスで形成し、更に二人は喧嘩を始めた
☆の付いている部分は必須項目です。