リレー小説
04/01(Tue) 08:37
月詠
「雨か…」
片付けをした後に暇になり、図書室に来て本を借りた。
短編集のそれを持ちながら医務室に戻る途中、窓を見て呟いた。
「あめあめ ふれふれ かあさんが
じゃのめで おむかい うれしいな
ピッチピッチ チャップチャップ
ランランラン」
《何故に》
テュールに突っ込みを入れられながらも、この部分の歌詞しか知らないウチは飽きるまで歌いながら医務室へと向かう。
04/01(Tue) 09:19
リトマス紙
「……雨を呼んだのは貴方達か、天候不良よ雨男」
「いや、俺悪くねぇから、雨男は兄貴だから」
「はぁ?僕だって悪くないよ、言い掛かりはやめてよね駄弟」
「喧嘩はここでしないで外でやってよ、良い歳してみっともない」
チェシャのメゾソプラノとは違うソプラノの声が医務室から響く
それに続いてテノールとアルトが響いた
「取り敢えず、私の力はなんとかなったわ
後は右目のイノセンスだけ」
「神様であるお前が神の使徒ってか、なんか矛盾してるよな」
「お黙り、世界の理に背いてはならない
それが世界に干渉する鉄則
曲げたら危険なのよ?」
「でもよく曲げてるよね」
「……兎にも角にも、まずは私が元の体に戻れなかったらどうしようもない訳
いいから……あら、この気配は月詠ちゃんじゃないの」
言葉の途中で扉の方を振り向く
右手に暗茶髪の青年、左手に黒茶髪の青年を従えながら、チェシャはゆるりと笑った
04/01(Tue) 09:29
月詠
医務室から聞こえる声に首を傾げる。
「チェシャ、なんか知らない声がするんです…が……」
《誰か知り合いでも来たの…か……》
扉を開けると見知らぬ青年二人。
思わず閉じた。
「《………………》」
再び開ける。
変わらない光景に揃って一言。
「《誰やねん》」
何故か関西弁っぽくなった。
04/01(Tue) 09:39
リトマス紙
「あはは、だよねー」
チェシャはけらけらと笑う
その声は先程聞こえたソプラノではなく、いつものメゾソプラノだ
そして月詠においでおいでと手招きする
「月詠ちゃんには教えておくよ
”私”の従者、サイト・ストライフとカルマ・ストライフ
兄弟です」
「「こんなのと兄弟なんかじゃない
……………」」
二人は睨み合い、そのまま取っ組み合いの喧嘩を始める
そんな二人の頭にチェシャは錫杖を落とした
──ゴッ!!!
「「〜〜〜〜!!!!!」」
「五月蠅いから黙って
あ、驚かせてごめんねー。ちょっと”儂”にも事情があってさ」
にこりと笑うチェシャの左目は、紅蓮に輝いていた
04/01(Tue) 09:52
月詠
手招きされたので素直にチェシャに近づく。
「あー……大丈夫ですよ。あとチェシャ、何故か左目が紅いですよ……今まで見た赤の中で、一番綺麗な赤ですけど」
《あー……だからか…》
「テュール?」
なんか納得してるテュールに不思議に思うも、サイトさんとカルマさんに自己紹介はする。
「とりあえず……はじめまして。ウチは月詠で、イノセンスを発動すれば現れる人格?はテュールと申します」
《聞こえないだろうが……俺は月詠の副人格兼寄生型イノセンスのテュールだ。まぁ、よろしく?》
そういえばあの錫杖、どこから出したんだろ……。
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