リレー小説
04/04(Fri) 23:25
リトマス紙
「月……詠…?」
枯れた声でアリスは月詠の名を呼ぶ
何故、ここにいるのだろうか?
何故、来たのだろうか?
そんな疑問がアリスの頭を支配する
鎖がチャリ、と音を立てた
「君、誰?僕はこれからチェシャにお話聞かせてもらうんだけど」
「……」
この喉ではもううまく声は出ないであろう
それはアリスでもわかっていた
だからこそ、そんな事を月詠だけには知られたくないから…
アリスは強気に微笑んだ
「そうだよ?儂は、話終わったら、すぐに帰るから…平気だよ」
補っても酷く擦れる声で、アリスは笑った…
04/04(Fri) 23:40
月詠
「駄目です、さすがにそのままだとチェシャの喉が潰れます」
ウチは僅かに怒りを込めて言う。
そしてロードの質問に答える。
「ウチは月詠…つっても、偽名だけどな……なんて戯言だけど」
「ふーん…」
興味なさそうなロード。
ロードは“夢”に体がある。
だがそこに攻撃可能な術無し。
だから、“借りる”。
「チェシャと一緒に帰りたいから、戦いはさせてもらうよ?」
“借りる”ことが出来る時間は一人につき十分。
反動も大きい。
けれどウチはアリスさんを失う方が怖い。
「イノセンス発動」
人格と姿が変わると同時、体を四つの神気が包む。
04/05(Sat) 00:07
リトマス紙
「……馬鹿な子…」
私なんか放っておけばいいのに
無理してまで、助けなくていいのに
どうして、そうやって、無理するんだろう
わからない…
「わからないよ……」
目から涙が流れた
それはゆっくりと頬を伝い、床に落ちる
私もなんとかしたくて口を動かすけど、危険だと、体が拒絶する
声にならない声で、私は叫んだ
─絶対に無事でホームに帰ろう!!─
有りったけの、力を籠めて
04/05(Sat) 07:24
月詠
「分からないなぁ……何でそんなことするの?」
《ロードには分からないだろうさ。
ウチはアリスさんが大切なんだ。
ウチの自分勝手なところがあるけど、アリスさんを失いたくないんだ。
けれどサイトさんやカルマさんも、アリスさんがとても大切なんだ。
少し話しただけだけど、なんとなく分かったんだ。
アリスさんを大切に思ってる人がいるから、ウチはここにいる。
気づいてここに来れたのは、ウチとテュールだけだから。
まぁ、来る時に反則技使ったけどさ》
「……貴様に言う義理は無い」
軍神の槍で飛んでくる蝋燭を斬り捨てる。
紅い神気を纏った軍神の槍に斬られた蝋燭は溶けていく。
《テュール、左だ》
「はぁ!!」
左から迫ってきた蝋燭を斬る。
怒りでかは分からないが、今のウチはとても冷静だ。
“あの子”の力を“借りて”、歌い始める。
《『鬱蒼と茂る暗緑の樹々
不気味な鳥の鳴き声
ある人里離れた森に
その赤ん坊は捨てられていた』》
その口上はアリスさんやロードにも聞こえた。
04/05(Sat) 10:21
リトマス紙
「………」
少しなら、力を使える
月詠にだけは、無理をさせたくないから…
アリスは声ではなく、聲で話を紡ぎだした
それは気に入っている「不思議の国のアリス」のお話
「Alice was beginning tn get very tired of sitting by her sister on the bank,and of having nothing to do:once or twice she hab peeped into book her sister was reading,but it had no pictures or conversations in it,`and what is the ure of a book,`thought Alice
`without pictures or conversation?`」
少しでも力になれるように、アリスは魔力の宿った聲でお咄を語りだす
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