リレー小説
04/05(Sat) 10:52
月詠
聞こえた聲に驚く。
けれどウチは歌を続ける。
《『一つ奪えば
十が欲しくなり
十を奪えば
百が欲しくなる
その焔は彼の全てを
灼きつくすまで消えはしない…』》
好きな歌だからこそ覚えてる。
ロードが苛立たしげな表情をする。
おそらくアリスさんの話すのは童話。
アリス、と聞こえたから不思議の国のアリスだ。
ラストスパートを歌おう。
この歌は終わりだ。
《『魔女がラフレンツェを生んだのか…
ラフレンツェが魔女を生んだのか…
物語はページの外側に…』》
歌い終わると同時に死気が軍神の槍に纏われる。
ロードが目を見開いた。
ウチは“歌姫巫女之神(ウタヒメミコノカミ)”の力を“借りた”。
あの子の力は歌に込められた思いを現実化させる、という力だ。
ウチが込めた思いは、“黄泉の扉を開き、この戦いの間は死気だけを扱うこと”。
04/05(Sat) 11:32
リトマス紙
魔力を含む聲で支援するように語る
英語で紡がれるアリスの物語
「The rabbit-hole went straight on like a tunnel for some way,and then dipped suddenly down,so suddenly that Alice had not a moment to think about stopping herself before she found herself falling down a very deep well.」
アリスから神気が溢れ出す
唄を紡ぐ聲が声に変わった
「`Oh dear!Oh dear!I shall be late!`
さぁ、アリスの物語は動きだすよ?」
二色の神気が、その場を覆った
04/05(Sat) 12:13
月詠
二色の神気を見て、綺麗だなと思った。
頭の中に浮かぶ言葉を種にイメージする。
「軍神の舞」
四方八方を囲む蝋燭を鎌鼬が斬り捨てる。
ロードが徐々に焦った表情となる。
黄泉の扉は既に閉ざされた。
制限時間内に決めないといけない。
「対価は?」
《決めるもの?》
「ああ、まぁ……戻るけど」
《なら……》
ウチの答えにテュールは驚き、苦笑した。
04/05(Sat) 12:52
リトマス紙
「唄ってさ、謡でもあるんだよ?
それに私は歌姫でもある
歌い続けようか、支援の曲、私の、好きな曲」
にやりとアリスは笑って、喉からではなく、神気を震わせる声を使って歌いだした
それは、月詠にだけ、力を与える歌
『「さぁ!始めようか
未来のしんがん鑑定を」
「ああ!騙されるな
永遠うそぶく錬金術に」』
低く高く、歌が響きだした
04/05(Sat) 13:30
月詠
対価は決まった。
アリスさんの歌がウチに力を与える。
それは自動で変換され、ウチを媒体とするテュールにも与えられる。
蝋燭でウチらを狙うロードを見て、言い放つ。
「《軍神の怒り!!》」
軍神の槍を床に突き刺す。
それと同時に現れる、地獄の業火。
「な……っ!?」
ロードは死なない。
“夢”で攻撃していないから。
けれど気にしない。
アリスさんと帰るためだから。
業火はテュールとアリスさんを燃やさない、それどころか熱さすら感じさせない。
アリスさんを拘束する鎖は溶け、彼女の肌を焼く前に気化する。
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